かわら版 No.1447 『混迷』
2025/03/17衆議院で29年ぶりに修正されて可決した当初予算案が、参議院で再修正されるという憲政史上初の事態を受けて、3月13日に衆院予算委員会が開催されました。立憲民主党からは私が党を代表して質問に立ちました。
私は、高額療養費自己負担上限に関する政府の引き上げ方針が白紙撤回されたことについては、「いったん立ち止まって検討すべき」と論陣を張ってきたので、一定の評価をしました。そして、熟議の上で予算を修正することはあってしかるべきだと、自らの立ち位置を明確にしました。
その上で、高額療養費を巡る方針が二転三転したこと、衆院で修正されて可決した予算案が3日後に参院で再修正された理由などについて、厳しく質しました。石破総理は自らの後手後手の判断について謝罪されました。そして、「もっと早く(患者団体の訴えを直接)聞くべきだった」と、反省の弁を口にされました。
次に私は高額療養費の自己負担上限額の引き上げ見送りで必要となる105億円をどのように捻出するのか、と質問しました。総理の答弁は、「与党の検討を踏まえ適切に対応していく」でした。答弁不能な政府の姿勢を、「財源なくして修正なし」と厳しく批判しました。
高額療養費制度のこれからのプロセスについては、「秋以降に改革案を提案すると聞いているが、なぜ秋なのか。今回はたった4回の審議会で決めてしまい、生煮えだった。反省しているなら、次なるプロセスは熟議で、患者団体の声を聴きながら次の改革案を作るべき」と強く主張しました。
今国会でも特に重要とされる「重要広範議案」に指定されている「年金制度改革法案」の国会提出が遅れていることについても、総理にお伺いいたしました。財政の長期見通しの更新が5年に1度ありますが、そのたびに年金改革法案が審議されるのが通例だからです。
石破総理は「党内にさまざまなご意見があり調整に時間を要している。党内の調整を急ぐよう改めて指示している」と述べ、早期の提出の意向を示したものの具体的な提出時期については言及しませんでした。
重要広範議案が国会に提出されなかったことは、過去に例がありません。私は「(法案を)提出できないなら政権担当能力はない」と、厳しく断じました。
最後に、高額療養費や年金制度改革法案を巡る迷走は、福岡資麿厚生労働大臣の責任が極めて重いのではないかと詰問しました。総理はご自身の任命責任を認められました。間違いなく石破内閣は死に体になりつつあります。