かわら版 No.1443 『省庁別審査』
2025/02/17政府・与党は115.5兆円の2025年度予算案の年度内(3月31日まで)成立を目指しています。年度内成立による切れ目ない予算執行は、国民生活を守るために不可欠です。また、足下を見られない外交を推進するためにも、政権の安定性を示すバロメーターにもなります。
年度内に予算が成立しない場合は、行政機能が停止しないよう、成立までの「つなぎ」として必要最小限の経費を計上する「暫定予算」が編成されます。近年、政権運営の不安定さから暫定予算を余儀なくされたのが、何と私の政権・野田政権でした。
この年の予算成立は4月5日までずれ込みました。当時、衆院予算委員会の野党筆頭理事だったのが石破茂現総理です。2012年3月30日の予算委で「(暫定予算の編成は)誠に申し訳ないことで、本来あるべきものではない。政府として責任は感じるべきだ」と、私に厳しく迫りました。
当時、私と共に粘り強く答弁に立ち、苦労して暫定予算を編成したのが安住淳財務大臣でした。その安住氏が現在、予算審議の議事進行をつかさどる衆院予算委員長です。参院で自民など野党が多数を占める「ねじれ国会」だった野田政権と、衆院で少数与党政権になった石破政権は攻守が入れ替わりました。
13年前の屈辱や悔しさを私も安住氏も忘れてはいません。そして、予算を人質に旧安倍派会計責任者の参考人招致の実現を迫ることも可能でしょう。でも、報復の連鎖は国益を損ないます。予算の衆院通過を遅らせ、予算の年度内成立を阻もうとは全く思っていません。
その代わり、物価高の中で国民の負担を減らし収入を増やすため、政府提出の当初予算の修正を求めます。責任ある政党として、そのための財源を確保するため、国会議員70人規模の「本気の歳出改革」作業チームを編成しました。そして、税金の無駄遣いを1円たりとも許さない姿勢で、各省庁ごとの予算を厳しくチェックし、基金や特別会計、予備費などの使途やあり方を検証しました。
その成果は、国会改革の一環として、安住委員長の発案の下で与野党が合意し、予算委員会に新たに設けられた「省庁別審査」で存分に発揮されました。5~7日にかけて僅か3日間の試みでしたが、戦後の国会史のなかでも出色の出来栄えだったと評価されています。
歳出改革チームの議員が綿密に事前準備し、具体的に数字をあげて、説得力ある質疑を展開しました。総理や閣僚がうなずく場面もたびたびありました。こういう予算審議がもっと前からなされていたら、財政赤字もここまで膨らまなかったでしょう。
省庁別審査の充実した審議を踏まえて、14日に立憲民主党の予算修正案をとりまとめました。17日の予算委で私が総理に修正要求します。そして、25日の週は政府案と立憲案を比較しながらの審議になります。ぜひご注目ください。