かわら版 No.1439 『熟議の真価が問われる国会』
2025/01/20欧州や中東の戦争、貿易をめぐる対立、社会不安の増大、世界経済の停滞、地球温暖化といった不安材料がどんどんと山積みしています。しかしながら、世界の多くの国々が分断と対立で混迷し、政治が機能不全に陥っています。隣国・韓国はその最たる例です。
人々の不安と不満を背景に極論やポピュリズムが台頭し、民主的なプロセスを経て民主主義を殺す独裁者が生まれる可能性も高まっています。昔から使い古された陳腐な言葉「デモクラシーの危機」が、今こそ現実味を帯びてきました。
日本では昨年10月の総選挙で、衆院においては与党が過半数割れに追い込まれました。与野党の勢力が伯仲したことにより、何事も決まらず国政が停滞するのではないかという懸念も当初はあったでしょう。
しかし、私は「熟議と公開」を旨とする国会改革を掲げ、日本の議会制民主主義の底力を示す好機にすべきだと提唱しました。昨年末の臨時国会では、野党第1党として一定の役割を果たせたと思います。
日本の民主主義の真価が問われる通常国会は、1月24日に召集されます。そして同日、内閣総理大臣の施政方針演説、財務大臣の財政演説、外務大臣の外交演説、経済財政担当大臣による経済演説が行われます。政府4演説に対する各党の代表質問は、27日午後1時から始まります。150日間にわたり約710人の衆参国会議員が参加する論戦のトップバッターは、私が務めます。石破総理と噛み合った議論をしたいと願っています。
1月30日から立憲の安住淳委員長の下、衆院予算委員会が始まる予定です。ただし、波静かならばです。野党は裏金問題の実態を熟知している安倍派元事務局長の参考人招致を求めていますが、その結論が出る前に審議入りできません。
さて、2025年度政府予算案の一般会計歳出総額は、約115.5兆円と過去最大です。3年連続で110兆円を超える大規模な予算編成となりました。コロナ禍以降、財政制度等審議会は歳出構造を平時に戻すべきだと提言したはずでしたが…。
コロナ禍以前の当初予算が100兆円を下回る水準でしたので、ここ数年の予算編成は明らかに「大盤振る舞い」の傾向にあります。歳出における国債費も28兆2179億円と過去最高になりました。歳出全体の4分の1が借金返済にあてられています。このような時こそ財政健全化の観点から、泥臭く予算案をチェックする政党が必要だと思います。
私たちが提出した法案を実現するためにも、新たな予算措置を要します。学校給食の無償化(4800億円)、介護人材の処遇(4130億円)、保育人材の処遇(1000億円)、130万円の崖対策(7800億円)などです。これらの実現のための財源も提案するつもりです。
一般受けしないかもしれませんが、財源なくして政策なしの姿勢を貫く決意です。