かわら版 No.1433 『補正予算審議』
2024/12/02石破内閣がまとめた補正予算の規模は、一般会計歳出で約13兆9千億円です。昨年は約13兆2千億円でしたから、これを上回る規模になりました。従来、政府が経済対策の規模の根拠としてきたGDPギャップは、直近の2024年4月~6月期でマイナス0.6%、額にして約4兆円程度となっており、政府が依拠してきた指標に照らし合わせても、過大な財政出動と言わざるを得ません。
財政法第29条では「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」を行う場合などに限り、内閣に補正予算の編成・提出を認めています。しかし、これは今回に限ったことではありませんが、補正予算で対応する必要のない、緊要性のない支出も多数見受けられます。
たとえば内閣府の孤独・孤立対策の環境整備や農林水産省の花粉対策の森林整備事業は、来年度当初予算の概算要求から前倒しさせたものです。巨費を投じる半導体産業への支援や国土強靭化も中長期的な政策であり、当初予算で対応すべきです。
規模ありきの水増し予算の原資は、政府のポケットマネーではなく国民の税金と将来世代の負担となる赤字国債です。バラマキは厳に慎み、真に必要な支出に限定すべきです。立憲の緊急総合対策は約7兆4千億円です。政府案に比べるとスリムですが実効性があります。
特に、能登半島の復興策については、立憲案のほうが質・量ともに充実しており、被災地の復興が加速すると確信しています。
能登では震災と豪雨災害という極めて異例な複合災害が発生し、これまで以上のきめ細かな手厚い支援と精神的なサポートが求められています。しかし、これまで政府は予備費の支出を小出しに繰り返すばかりで、被災地では先の見通しが立たず、希望が失われています。
立憲民主党は早期に補正予算を編成して、能登の復興を力強く推し進めるべきである主張してきました。そして、石川3区選出の近藤和也議員を筆頭に被災地の声を丁寧に聞き、それを形にした能登の復旧・復興対策を取りまとめました。
具体的には、「被災者生活再建支援金」の実質倍増、公費解体等の準半壊・一部損壊への対象拡大、「なりわい再建支援補助金」の拡充、ボランティアへのガソリン代支援等が盛り込まれています。
立憲案は約6千億円を充てることにしていますが、政府案の能登への支援はわずかばかりで、被災現場のニーズに対する理解が不足しており、長期化する避難生活へのきめ細かい配慮が欠けています。
補正予算は9日から審議に入ります。政府案と立憲案を比べながらの審議になるかもしれません。政府案の修正を迫る場面もあるかもしれません。