かわら版 No.1429 『政権交代前夜』
2024/10/31先の衆院選において比例区「立憲民主党」と各選挙区の公認候補者に温かいご支援をいただきましたことに、党の代表として心から感謝申し上げます。与党を過半数割れに追い込むことを目標としてきましたので、目標を達成できたことは大きな成果です。
地震や豪雨など相次ぐ災害に見舞われた能登の皆さんを置き去りに「裏金隠し解散」を強行した石破政権の敵失が主たる要因だったと思います。そして、裏金問題を一貫して厳しく追及してきた野党第1党にご支持が集まったと分析しています。
「裏金政治を続ける自民政権か、根絶させる立民政権」かと政権選択選挙を訴えましたが、自民は65議席減ながら191議席、立憲は50議席増ながら148議席でした。自民単独のみならず自公の過半数割れも実現できましたが、残念ながら比較第1党にはなれませんでした。
とはいえ、「政権交代こそ最大の政治改革」と訴え続けてきたのですから、その可能性が残っている限り、政権交代に挑みます。勝負は11月11日の特別国会召集日。総理大臣指名選挙が行われます。
衆議院議員の定数は465。過半数は233です。自公は215人。石破政権に対する内閣不信任決議案を共同提出した立憲・維新・国民・共産を合わせて214人。その他は諸派・無所属です。
他の野党の皆さんに私の名前を書いていただくには高いハードルがありますが、粘り強く誠意ある対話を積み重ねていきたいと思います。水面下の交渉ではなく、白昼に堂々と協議したいと思います。私の提案と相手方の対応については、その都度説明責任を果たしたいと思います。政局が流動化している時だけに、「熟議」と「公開性」を重視する決意です。
「1強多弱」の構図は変わりつつあります。1強の自民は瞬間的に弱くなりました。でも、野党がバラバラで多弱のままでは、自民は必ず息を吹き返します。野党間の誠意ある対話は多弱を克服していくために不可欠なプロセスです。
なお、政権交代の意義は政治改革の推進にとどまりません。
本年度のノーベル経済学賞を受賞したロビンソン教授とアセモグル教授の共著「国家はなぜ衰退するのか」という本は、豊富な歴史の実例を調べ、国家の繁栄をもたらすのは民主的で公正な政治制度であると明らかにしています。もし、その国の政治が支配者の特権を守るためのものになり、公正を欠いたものになれば国家は衰退するというのです。
派閥による政治資金パーティーを原資とする自民党の裏金システムは、腐敗、不正、不公正、非能率を内在し、「失われた30年」の主因ではないでしょうか。日本が再び繫栄するためにも、政権交代によってこの腐敗した政治を打破しなければならないのです。