かわら版 No.1409 『本気の政治改革』
2024/05/20先月の衆院補選で惨敗した自民党は、「政治とカネ」を巡る有権者の厳しい審判を重く受けとめるべきです。ところが、全く反省していません。本来ならば他党よりも早く抜本的な政治資金規正法改正案を提示すべきなのに、ようやく薄っぺらな案をまとめましたが、まだ党内は迷走しています。
自民党は不祥事の温床となっている企業・団体献金には全く手を付けず、政治資金パーティーや政策活動費の改革についても及び腰です。与党の公明党ですら呆れていますので、野党からすれば論外です。
薄っぺらな案をとりまとめた鈴木馨祐・自民党政治刷新本部座長のTV討論における「自民の力をそぎたいという政局的な話と再発防止がごっちゃになっている」との発言を聞き、合点がいきました。裏金問題の当事者としての深い反省がなく、むしろ被害妄想に陥っているようです。自民党支持者も含めた政治に対する不信と怒りを理解していません。
立憲民主党は「本気の政治改革」実現にむけて、4本の議員立法の成立をめざします。
第1は、2022年6月に国会に提出した「企業団体献金禁止法案」です。特定の業界団体などのために政策決定がゆがめられるおそれが大きいことから、1994年、税金を原資とする政党交付金を導入するかわりに、政治家個人への企業団体献金は禁止されました。
ただ、政党本部や支部への企業団体献金は5年後にあり方を見直すとの規定にとどまり、その後うやむやになっています。「平成の政治改革」の積み残しに決着をつけ、企業団体献金は全面禁止し、個人献金の促進へと転換すべきです。
第2は、2022年11月、日本維新の会、国民民主党と3党共同で提出した「歳費法等改正案」です。国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)は、日割計算で支給されるよう法改正されました。これだけでは改革は不十分であり、使途報告・公開と残余の額の国庫返納の義務付け等を定めたものです。
第3は、今国会に提出する「政治資金透明化法案」(政治資金規正法等改正案)です。収支報告書の提出・公開のデジタル化、外部監査の拡充、国会議員の責任逃れを許さない連座制の導入などは言うまでもありません。
政党から政治家個人に支出される「政策活動費」は、自民党幹事長には例年約10億円も支出され注目されています。この巨額の使途不明金の廃止も盛り込みました。
第4は、「政治資金パーティーの開催禁止法案」です。政治資金パーティーとは対価を徴収して行われる催物ですが、実態は利益率が9割を超え、事実上企業団体からの寄附です。企業団体献金と同様に禁止するのが筋です。心配されている外国人・外国法人にパー券を買ってもらうこともなくなります。
今国会の会期末は6月23日。もう時間がありません。他党と連携して自民党に丸呑みを迫ります。