詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1403 『足元を見られるな‼』

2024/04/01

  岸田文雄政権の内閣支持率は低迷が続き、不支持率は高止まりしています。私自身の経験を振り返ると「世論調査の数字に一喜一憂しない」とポーカーフェイスを装っても、内心は「トホホ」と落胆していたものです。


  ところが、岸田総理は意気消沈するどころか、意気軒高のように見えます。「異次元の鈍感力」を持った政治家です。これまでも自らの派閥を解散したり自らが政倫審で弁明するなど、思いきった事を躊躇なく実行してきました。局面打開には至りませんでしたが…。


  今後は総理本人は得意だと思い込んでいる外交で、支持率の回復をめざすでしょう。具体的には訪米や訪朝で成果を上げることです。しかし、政権基盤の弱いリーダーは足元を見られます。同盟国ですら油断禁物です。


  岸田総理は4月10日に日米首脳会談を行い、翌11日に米国議会で演説する予定です。インド太平洋における最重要の同盟国として、国賓待遇で訪米する意義は大きいです。ただし、日本製鉄のUSスチール買収計画が政治問題化していることには注意が必要です。


  バイデン大統領は「USスチールは米国の象徴。国内で所有・運営される鉄鋼会社であり続けることが重要だ」と、表明しています。トランプ前大統領も買収阻止の立場です。


  全米鉄鋼労働組合(USW)が買収に反対しているからです。USスチールが本拠を置くペンシルベニア州は11月の大統領選のカギを握る接戦州なので、前職も現職も特定の企業や労組の歓心を買いたいのでしょう。


  日鉄の買収により市場が寡占化し、競争が妨げられたり、安全保障上のリスクが生じたりすることはありません。この買収は敵対的ではなく、両社経営陣の合意によるものです。


  岸田総理は個別企業の経営に関する事案で、迂闊に言質を取られぬよう気をつけるべきです。むしろ、2019年より4年連続で世界最大の対米投資国の代表として、米国の保護主義とポピュリズムに苦言を呈してほしいものです。


  外交交渉には周到な準備が必要であり、焦って一か八かの賭けに出ることは禁物です。総理が政権浮揚のために北朝鮮を電撃訪問するとの観測がありましたが、北側が交渉の内幕を一方的に暴露しました。


  金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キムヨジョン)党副部長が3月25日、岸田総理が正恩氏と「早期に直接会いたいという意向を我々に伝えてきた」と明らかにしました。そして、2月の談話と同様に拉致問題は既に解決済みとの立場を繰り返しました。


  林芳正官房長官が「拉致問題が解決済みとの主張は受け入れられない」と記者会見で反論すると、金与正氏は翌26日、「日本側とのいかなる接触も交渉も拒否する」と述べました。「史上最低水準の支持率を意識している日本の首相の政略的な打算に朝日関係が利用されてはならない」とまで言っています。


  民意を無視した独裁国家の非礼には腹が立ちますが、岸田政権が足元を見られていることが改めてわかりました。


  

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