詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1402 『安倍さんなら?』

2024/03/25

  衆院政治倫理審査会は第5委員室で開催されます。各委員室には永年勤続表彰(在職25年)を受賞した議員の肖像画が掲示されています。第5委員室は国会中継では映りませんが、質問者の後方の壁に安倍晋三元総理の肖像画が掲げられています。すなわち、弁明者は安倍元総理に向き合う形になります。


  安倍さんは生前、パーティー券の販売ノルマ超過分を収支報告書に記載せず所属議員に還流する慣行をやめるよう指示しました。しかし、安倍さんが亡くなった後、還流は継続することになりました。その経緯や真相をよく知っているはずの安倍派幹部が、次々と政倫審で弁明に立ちましたが…。


  理路整然と滑舌良く「私は知らなかった。関与していない」と、白々しく語るのみ。自民党最大派閥で「保守」の牙城ともいえる安倍派でしたが、その幹部たちは「保身」しか考えていませんでした。天上で安倍さんも泣いていることでしょう。安倍派幹部らは予算委員会で証人喚問するしかありません。


  ご存命であったならば、安倍元総理にも今こそお伺いしたいことがあります。私は元総理に対する追悼演説の中で、「あなたが放った強烈な光も、その先に伸びた影も、言葉の限りを尽くして、問い続けたい」と語りました。影が伸び始めた2016年以降を安倍さんはどのように総括するかについてです。


  まずは、対ロシア外交について。2014年ロシアがクリミアを併合すると、安倍政権は欧米各国と共にロシアに経済制裁を科しました。ところが、日本だけが親ロ路線に舵を切ったのが2016年でした。同年5月に8項目の経済協力プランを提案。9月には対ロ経済協力担当大臣を新設。12月からは北方4島における共同経済活動について協議を開始。


  しかし、期待していた領土問題の進展はなく、石ころ1つ返ってきませんでした。プーチン大統領を増長させただけでした。その後、ロシアはウクライナを侵略。そして、プーチンは政敵が獄死したり亡命したりする中、3月17日の大統領選で圧勝しました。ますます暴走しそうなプーチン大統領に対して、かつてはファーストネームで呼び合っていた安倍さんは諫めようとするでしょうか。


  次は、アベノミクスの総括についてです。黒田東彦前日銀総裁の下で2013年から始まった異次元の金融緩和は、株価や企業収益を上昇させたものの、物価上昇の「2%目標」の未達が続きました。そこで、黒田前総裁は2016年2月にマイナス金利を導入。同年9月に長短金利操作(イールドカーブコントロール)も導入しました。


  結局、黒田体制の10年間は「アベノミクスは道半ば」を言い続け、異次元緩和が続きました。植田和男新日銀総裁の下、ようやく3月19日の金融政策決定会合でマイナス金利解除や長短金利操作の撤廃等が決まりました。この間に異次元の副作用も目立つようになり、負の遺産も蓄積しました。


  さすがに安倍さんも「デフレは貨幣的な現象」だともう主張しないでしょう。


  

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