かわら版 No.1399 『予算委員会集中審議』
2024/03/04法を作る者が法を犯せば、民主主義の危機を招きます。今回の裏金疑惑では立法府に属するメンバー80名以上が裏金を受け取っており、立法府の存在意義が問われています。こうした危機感をもって、私は2月26日、衆院予算委員会集中審議で岸田文雄総理に対して政治とカネの問題を中心に質問しました。
まずは、政治改革大綱に反して総理就任後も派閥の代表に居座り続けた理由を問いました。総理は「派閥から資金、人事が切り離されなかった点は反省しなければならない」と筋違いの答えをするだけで、理由の説明にはなっていませんでした。
さらに、政治改革大綱と大臣規範に違反して、総理就任後に頻繁に政治資金パーティーを開いてきた理由を問いました。岸田総理は、2022年だけで7回もパーティーを開き、利益が1億3609万円にも上っています。なぜ、ここまでお金を集めることに心を砕き、エネルギーを割くのか。内閣総理大臣として、そんな心の余裕があるのか不思議でなりません。異常です。総理は「勉強会だ。国民の疑惑を招きかねないということにはあたらない」と抗弁していました。
岸田総理は、能登半島地震が発生してわずか4日後の1月5日に経済3団体の新年会に防災服を着て出席していました。いまだに生死の境目にある人が大勢いる時です。能登半島の人はパーティー券を買ってくれないかもしれませんが、総理が向くべきは苦しむ国民の方です。エネルギーの割き方が間違っていると厳しく指摘しました。
さらに、2022年6月に開催された広島での総理就任の祝賀会について、「主催が任意団体だから政治資金収支報告書に記載しなかった」というが、受付も経理も岸田事務所がやっており、任意団体の代表は後援会長、明らかに脱法パーティーだ。なぜ、政治改革の先頭に立つべき人が、このような抜け穴づくりの先頭に立つのかと追及しました。
総理は自民党の政治刷新本部長を務めていますが、適材ではない、辞めるべきだと指摘すると、「自民党総裁として、刷新本部長を続け信頼回復に努めるのは当然」と開き直りましたので、それでは本部長として指示していただきたいと、2点を挙げました。
1つ目は、政治倫理審査会を完全公開で行うことです。これだけの大がかりな裏金事件にあたり、誰もいないところでつぶやいても国民に対する説明責任を果たしたことにはなりません。(なお、この質問により2月29日、完全公開で開催されることになりました。)
2つ目は、裏金を受け取っていた議員に対し納税するように指示することです。説明できないお金が残っていたら納税をするという姿勢を政治家が示さなければ、国民の不信感を拭えません。納税意欲の減退すら招きかねません。
いずれに対しても、総理の答弁はリーダーシップを期待するには程遠い後ろ向きのものばかりで、政治改革を進めようという意欲は微塵も感じられませんでした。やはり、政権交代こそが最大の政治改革だと確信しました。