詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1368 『保険証廃止の延期を』

2023/07/18

  マイナンバーをめぐるトラブルが続発しています。


  ○3月、横浜市内のコンビニエンスストアで、マイナンバーカードを使う証明書交付サービスを利用した際、他人の住民票が発行された事例が5件発生。その後も、同様のケースが相次ぐ。


  ○5月12日、カードと一体化された健康保険証に他人の情報が登録されていたと厚労相が発表。


  ○6月7日、マイナンバーの公金受取口座に他人の口座が登録されていたケース、本人ではない家族名義とみられる口座が登録されていたケースをデジタル相が発表。


  ○6月12日、「地方職員共済組合」に加入している人が、マイナポータルで年金情報を閲覧されたトラブルが発生。


  ○マイナンバーカードの取得などでポイントがつく「マイナポイント」を申請する際、他人のクレジットカードなどにひも付けられてしまったケースを総務相が発表。


  岸田政権はかなりの経費を使って総点検を実施していますが、まだまだ混乱が続きそうですし、国民の不信感も増幅していくでしょう。そこで、最も心配なのは健康保険証の問題です。


  先の通常国会で、来年秋に現行の紙の健康保険証を原則廃止して、健康保険証とマイナンバーカードを一体化する「マイナ保険証」を導入する法律が成立しました。しかし、廃止ありきで政府が現場に号令をかけたことが、様々なトラブルを惹き起こしています。ここは立ち止まって再考すべきです。


  そのために立憲民主党は、健康保険証の廃止を延期する法案を秋の臨時国会に提出する予定です。少なくとも、マイナンバーカードが円滑に利用できる環境が整うまで、保険証の廃止は延期すべきです。その間に、マイナンバーカードを持つかどうかは「選択制」とするなどの制度設計も検討すべきです。


  最後に、混乱を招いた責任の所在を明らかにしなければなりません。河野太郎デジタル担当大臣は、「マイナンバー制度は民主党政権がつくった制度」「おまえが始めた人だろ、と言い返したくなる」と、見苦しい責任転嫁をはじめました。


  ここは明確に反論しなければなりません。2012年2月、社会保障と税の共通番号制度に関する法案を閣議決定したのは、確かに民主党の野田政権の時でした。消費税の低所得者対策として「給付付き税額控除」の導入を検討していたからです。当時は少なくとも社会保障や災害時の対策に限定していました。


  しかし、その後の制度設計や運用は自民党政権です。突然紙の保険証を廃止してマイナンバーに一本化しようとして、地方自治体にカード普及を急がせた上で丸投げ。拙速かつ強引な手法でトラブルを多発させたのは河野大臣ご自身です。デジタル庁に個人情報保護委員会が近く立ち入り検査します。河野大臣はもっと当事者意識をもつべきです。


  

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