詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1325 『わずか3日の臨時国会』

2022/08/08

  7月の参議院選挙を受けて、臨時国会が8月3日に召集されました。しかし、会期はたったの3日間、5日には閉会してしまいました。実質的な審議は全く行われませんでした。


  課題は内外ともに山積しています。


  日本の新型コロナの新規感染者が、世界最多になりました。しかし、政府の「第7波」に対する動きは鈍過ぎです。加えて、「サル痘」の国内感染も確認され、不安が増しています。


  安倍元総理の非業の死を悼み弔う気持ちはどなたにもあると思いますが、「国葬」については賛否が分かれています。法的根拠や基準を岸田政権は早急に明示すべきですが、先送りしています。逆に、故人に対して失礼なのではないでしょうか。


  ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問は、米中の緊張を一気に高めました。日本の安全保障にも重大な影響があります。ウクライナ情勢も含めて、中国やロシアなどの覇権主義にどのように向き合い、抑えるかも大いに議論すべきです。


  その他、旧統一教会問題や物価高騰なども徹底審議すべきテーマでしょう。かねてより岸田総理は「聞く力」をアピールしてきましたが、国会審議を避けて逃れようとしてばかりいます。看板に偽りありです。


  わずか3日間の臨時国会で唯一決まったことは、新しい参院議長と副議長でした。


  参院議長には自民党の尾辻秀久元厚生労働大臣が選出されました。私が総理を務めた頃は、参院副議長に就いておられました。「社会保障と税の一体改革」の良き理解者で、「あなたのやろうとしている事は正しい」と、いつも鼓舞してくれました。


  民主党の山本孝史参院議員が病死した時の追悼演説は、歴史に残る名演説だったと思います。私も感涙しました。人情味のある硬骨漢です。


  参院副議長には立憲民主党の長浜博行元環境大臣が選ばれました。長浜氏は私と同じ大学、同じ学部の1年後輩。松下政経塾では1期生と2期生。40年を超えるお付き合いとなりましたが、先輩と後輩の関係は逆転されることはありません。彼にとっては不運かもしれませんが…。


  野田政権下では、まずは激務の官房副長官に就いてもらいました。特に、尖閣の国有化は、彼の粘り強さを抜きに語れません。島の所有者や故石原知事率いる東京都との実務的な交渉は、全て長浜副長官が担っていました。


  わが政権の終盤には、環境大臣兼原発事故担当大臣も務めてもらいました。


  皇室を巡る課題の論客であり、平成天皇の生前退位を実現するための皇室典範特例法を成立させた折には、私の相棒として奔走してくれました。立憲民主党においても安定的な皇位継承に関する検討委員会の中心メンバーでした。


  人格・識見など申し分のない正副議長が誕生しました。あとは政府が国会審議から逃げないことが重要です。


  

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