詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1313 『「コロナかかりつけ医」法案』

2022/04/18

  昨年8月、新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増えました。重症者も連日の最多更新。医療提供体制は極めて厳しい状況に陥りました。特に、保健所や病床の逼迫が深刻だったため、政府は重症患者などを除き、自宅療養を基本とする方針を発表しました。


  この「第5波」の間、自宅で容体が急変し、死亡する事例が相次ぎました。自宅療養という名の医療アクセス制限は、実は自宅放置でした。1960年代半ばにスタートした「国民皆保険」は、北海道でケガをしようが沖縄で急病になろうが、患者が保険証1枚で自由に医療機関を受診できる世界に冠たる制度だったはずですが…。


  新型コロナウイルスで入院や宿泊療養ができずに自宅で亡くなった人の遺族が集まり、「自宅放置死遺族会」が発足したのは昨年9月でした。その共同代表である高田かおりさんを4月12日にお招きし、私が会長を務める「医療の民主化改革で、次世代に責任ある政治を実現する議員連盟」で、ヒアリングを行いました。


  高田さんは大阪府在住ですが、弟の善彦さんは沖縄で飲食店を経営していました。昨年8月、新型コロナに感染し自宅療養(1人暮らし)をしていましたが、43歳でお亡くなりになりました。当時の沖縄も第5波の真っ只中で、感染者が急増し保健所の業務が逼迫し、十分な医療が届かなかったからです。


  高田さんは、「遺族としたら、もし早く医療とつながれば助かったんじゃないか」「必要な方が必要な医療に速やかにつながれるような体制をとっていただきたい」と、お話しされました。そして、次の事項を厚生労働省に要請されたとのことでした。


 1.「自宅放置死」の実態検証


  今年1月からの「第6波」では、第5波までを上回る「自宅放置死」が発生していることに鑑み、昨年12月15日の衆議院予算委員会で岸田総理が約束された「自宅放置死」の実態の検証を早急に実施すること。


 2.自宅療養中の医療アクセス確保


  平時からコロナ感染時に対応してもらえる医師を登録しておく制度(コロナかかりつけ医制度)を整え、医療に確実にアクセスできる体制を確保すること。


  後者のご要請については、私も提出者となり「コロナかかりつけ医」法案を国会に提出しました。約2年も自宅放置死の発生により「助かる命が助からなかった」ことを、岸田政権は重く受け止めるべきです。2度と自宅放置死を発生させてはなりません。コロナかかりつけ医により、必要な方が、必要な時に確実に医療にアクセスでき、早期治療を実現できます。


  コロナかかりつけ医との相談は、生活習慣改善や健康寿命延長にも繋がることが期待され、将来のわが国の医療基盤の再構築、「日本版家庭医」創設の第1歩となるはずです。


  

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