かわら版 No.1297 『国家千年の計』
2021/12/23「天皇の退位等に関する皇室典範特例法に対する附帯決議」に関する有識者会議は22日、最終的な報告書を取りまとめました。ようやく国会に報告されることになりますが、「遅すぎる!」と言わざるをえません。
そもそも天皇陛下退位の特例法が制定されたのは2017年です。その時の国会による附帯決議には「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」を法の施行後、速やかに検討するよう書かれています。「速やかに」と記載されているのに、特例法の施行日である2019年4月30日から、今年3月の有識者会議の設置まで、実に2年もの時間が経っていました。
しかも、有識者会議は国会が求めた「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」は将来判断すべき事柄として先送りし、女性・女系天皇の是非など本筋の議論には入りませんでした。代わりに、皇族数の減少に対応する2案が提起されました。女性皇族が結婚後も皇室に残る案(必ずしも女性宮家の創設に直結するとはいえない)と、旧皇族の男系男子を養子に迎える案の2案です。本題に入りたくないので的をズラして結論を先延ばししているとしか思えません。
現時点で皇位継承権を持つのは秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまの3人です。次世代は来春高校に進学される悠仁さまのみ。現行の皇室典範では、皇位は男系男子が継承するとされていますので、悠仁さまに嫁いだ妃殿下は必ず男子を産まなければなりません。皇統の存続がかかるわけですから、その精神的な負担は想像を絶します。自分の娘を嫁がせようとする親御さんがいるでしょうか。
天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが12月1日、20歳の誕生日を迎えられました。現行制度であればご結婚後は民間人になるわけですが、女性天皇や女性宮家への道が開かれるのかどうか。皇室に留まり続けることになれば、自ずと心構えや覚悟も違ってくるでしょう。成人になられても全く異なる2つの進路がまだ開かれている状況は、あまりにもお辛いのではないでしょうか。
いずれにしても最も大事なことは、皇位の安定を図り、皇統が幾代にもわたって継承されていくことです。有識者会議の最終報告を受けて、いよいよ来年からは国会の出番です。国政の衝に当たる人間が、責任をもって皇室典範を改正し、皇位の安定継承を図らなければなりません。
立憲民主党においても、「安定的な皇位継承に関する検討委員会」が立ち上がることになりました。私がその責任者を務めることになります。国家千年の計をつくる決意で、国会内で主導的な役割を果たしていきたいと思います。
最後に、1年間かわら版をご愛読いただき、誠に有難うございました。深く感謝申し上げます。良いお年をお迎え下さい。