かわら版 No.1295 『文書通信交通滞在費』
2021/12/09衆参合わせた全国会議員に対し、毎月百万円の文書通信交通滞在費(文通費)が支給されています。ところが、先の総選挙が10月31日に実施されたため、1日の在職でも1か月分満額が支給されることになり、疑問の声が広がっています。こうした事態を受けて、立憲民主党は歳費法改正案を国会に提出しました。
法案骨子の概要は次の通りです。
(1)現在「月割り」支給になっている文通費について、「日割り」計算により支給することとする。
(2)今年10月に支給された文通費については、その支給額と日割り計算による額との差額を自主的に国庫返納できるようにする。
(3)文通費の収支報告書を、領収書の写しを添付して議長に提出しなければならないこととするとともに、収支報告書を公開しなければならないこととする。
(4)現在「月割り」支給となっている衆院解散時の歳費についても、「日割り」支給とし、今年10月に支給された歳費の支給額と日割り計算による額との差額を自主的に国庫返納できるようにする。
(1)~(3)の「日割り、国庫返納、使途報告・公開」の3点セットについては、日本維新の会、国民民主党も同趣旨の法案を国会に提出しています。維新は当初、国庫返納ではなく寄付を主張していましたが、我々と足並みを揃えてきました。
(4)は文通費のみならず議員歳費も改革の対象としており、立憲民主党案が最も厳格であり、かつ、最も先進的な内容となっております。各党各会派に賛同いただけるよう呼びかけてまいります。
しかし、与党側が(3)の領収書の添付を含む使途公開について難色を示しています。恐らく、日割り支給を可能にする程度でお茶を濁したいのでしょう。自民党という政党は、いつも政治資金の透明化には後ろ向きです。
「なんとか還元水」疑惑等で政治資金規正法改正が焦点となっていた2007年、私は民主党の政治改革推進本部の事務局長でした。法改正をめぐる与野党折衝の交渉責任者でした。国会議員や立候補予定者が代表者を務める政党支部や政治資金管理団体等による1円以上の支出について、領収書公開を義務づけるため、自民党の重い腰を上げさせるのに大変苦労しました。
ポイントは、野党の連携と世論の後押しです。文通費改革について粘り強く与野党合意をめざし、今国会中に法案を成立させたいものです。
中村吉右衛門さんがお亡くなりになりました。「鬼平犯科帳」の大ファンでしたので、とても残念です。寒さが厳しくなってきた折でもあり、鬼の平蔵が旨そうに軍鶏鍋をつつくシーンが思い出されます。今ごろは先に逝った密偵たち、彦十(江戸家猫八)、粂八(蟹江敬三)、五郎蔵(綿引勝彦)らとお頭は一杯やっているのでしょうか。合掌。