詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1203 『幼保無償化』

2019/12/23

  幼児教育・保育の無償化が10月から始まりました。その対象範囲は、法律により幼児教育の質が制度的に担保された幼稚園、保育所、認定こども園を基本としながら、待機児童問題により認可保育所に入りたくても入れないケースもあることから、代替的な措置として認可外保育施設等も対象とすることになっています。


  しかし、幼児教育の無償化は「3~5歳の全ての子供」が対象ではありません。幼稚園と同様の教育を行っていても、敷地面積の基準が満たせないなどの理由で認可を受けていない、いわゆる「幼稚園類似施設」は対象外となっています。


  このような無償化対象外施設は全国で約200ほどあるそうですが、長年にわたり地域の幼児教育を担い、地域にとって欠かすことのできない施設も多数存在しています。それらの施設に子どもを通わせている保護者は、無償化による「子育て世代の負担軽減」の恩恵を受けられません。


  子供に格差が生まれ明らかに不平等ですので、私は「幼児教育無償化の対象とならない施設に通う子どもや保護者に対する支援の請願」の紹介議員をお引き受けしました。4千筆の署名の願意を重く受け止めて頑張る決意です。


  政府は国と地方が協力して対象を拡大して支援する検討を行っています。船橋市にも積極的に呼応してほしいと思います。対象外とされた施設への来春の入園希望者は激減し、園の存続が危ぶまれる事態になっています。結論を急ぐよう働きかけていくつもりです。


  幼児保育の無償化については、その影響を注視する必要があります。3歳以上が無償化されたことにより、再就職をためらっていた人が思い切って保育所を利用し始める可能性が大きいからです。無償化が保育需要を掘り起こし、待機児童解消に逆行するのではないでしょうか。


  また、保育士の賃金を上げたり、保育士1人に対する子どもの人数を減らすなどしないと、保育現場からの離職が止まらず慢性的に人材不足に陥りかねません。本来ならば、保育士の処遇や配置基準の改善を優先すべきだったと思います。


  私はかつて高校授業料無償化の財源確保の責任者をしたことがあります。ですから、もともとは無償化論者です。しかし、今回の幼保無償化については手放しで評価できません。消費増税を財源としていますが税金の使い方の順番が間違っていますし、公平を担保するための周到さが足りないと思うからです。


  1年間にわたり「かわら版」をご愛読いただき、深く感謝申し上げます。お蔭様で通算1200号を超えました。来年もしっかりとメッセージを発信していく決意です。


  では良いお年をお迎え下さい。


  

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