詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1198 『長きを以て尊しとせず』

2019/11/18

  1885年、伊藤博文が初代内閣総理大臣に就いて以来、134年間で総理経験者は62名です。その中で安倍総理の通算在任日数が11月20日、桂太郎を抜いて憲政史上最長となります。


  日本の総理大臣は激務です。新聞の政治面の片隅に前日の総理の行動が掲載されていますが、総理の1日は朝から晩まで分刻みのスケジュールです。海外出張も多く、高速移動は疲労が蓄積します。しかも、説明責任、任命責任、結果責任…。責任を問われる政治判断の連続は、重圧です。


  この日本一のハードワークを、誰よりも長く続けている安倍総理の体力と精神的タフネスには、頭を下げざるをえません。第1次安倍内閣が自身の体調不良により短命に終わっただけに、返り咲いてからは心身の健康管理が万全なのでしょう。


  ところで、「政治は結果が全てである」が安倍総理の口癖ですが、この超長期政権はどんな結果を残してきたでしょうか。佐藤栄作政権は悲願の沖縄返還を実現しました。中曽根康弘政権は国鉄民営化を断行しました。このように歴代長期政権は何らかの結果を出していますが…。


  安倍政権は、「地方創生」「女性活躍」「1億総活躍」「介護離職ゼロ」などと、次々と華々しいスローガンを掲げてきました。しかし、全て尻すぼみで未達です。アベノミクスにいたっては永遠に道半ばです。「戦後外交の総決算」と大風呂敷を広げましたが、最もお寒い限りなのが外交分野です。


  まずは日米。米国との同盟は日本外交の基軸です。しかし、独善過ぎるトランプ大統領に、時にはクギを刺す場面があってもいいのではないでしょうか。米国は世界で唯一、気候変動への国際的な取り組みを決めた「パリ協定」に参加しない国となりました。温室効果ガス排出量世界第2位の米国の離脱は、同協定にとって致命的です。異常気象による災害が多発しているわが国は、米国の翻意を粘り強く促すべきです。


  続いて日中。中国の習近平国家主席が来春、国賓として来日予定です。そのためか北大教授が中国国内で拘束されたり、尖閣周辺で領海侵犯事案が増える傾向にありますが、強く抗議している形跡がありません。香港の抗議デモに対する中国政府の弾圧についても、無批判です。そんな遠慮までして習主席を招請すべきでしょうか。


  最悪なのは日ロ。プーチン・ロシア大統領との北方領土返還交渉は、4島返還から2島返還へと軸足が後退。完全に足元を見られて法外な経済協力支援ばかり求められて、石ころ1つ返ってくる気配もありません。「わが国固有の領土」「不法占拠」といったわが国の法的立場を表わす言葉も、外交青書や国会答弁から消えてしまいました。


  毅然とした姿勢は韓国に対してのみ。米・中・ロにはペコペコするだけで何ら外交の成果がありません。


  

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