詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1195 『即位礼正殿の儀』

2019/10/28

  台風15号、19号に続き、台風21号の影響で千葉県は記録的な大雨に襲われました。犠牲になられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げるとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。台風被害については、次号で取り上げさせていただきます。


  天皇陛下が即位を内外に宣言される「即位礼正殿(せいでん)の儀」が10月22日、皇居・宮殿「松の間」で行われました。英国のチャールズ皇太子など海外の賓客や国内各界の代表者1999名が参列しましたが、私も妻とともにお招きいただきました。


  朝からかなり強く降り続けていた雨が、午後1時に儀式が始まる頃にはやみました。玉座「高御座」(たかみくら)から天皇陛下が、「御帳台」(みちょうだい)から皇后陛下がお姿をお見せになられた時は、何と日が差し始めました。宮殿にスポットライトを当てるかのような天の演出でした。


  儀式中は、司会進行のための場内放送は行われず、「鉦」(しょう)や「鼓」(こ)と呼ばれる打楽器の合図により、出席者一同は起立、着席、敬礼を行いました。静寂かつ厳粛な儀式でした。十二単(じゅうにひとえ)をお召しになられた女性皇族のお姿は、平安絵巻さながらでした。


  天皇陛下のお言葉には、深く感銘いたしました。まずは「上皇陛下が30年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し」と、平成の天皇像を引き継ぐ強い覚悟を示されたことです。


  次に、「国民の幸せ」に加えて「世界の平和」を常に願う、グローバルな視野をもった新天皇像も示されました。天皇陛下は留学経験もあり、世界の動きを見据えていらっしゃいます。皇后陛下は外交官出身です。多くの国との友好を築く皇室外交に大いに期待したいと思います。


  祝賀ムードに浸るにとどまらず、即位の礼を契機に、安定的な皇位の継承や皇族数の減少といった喫緊の課題について検討を進めていかなければなりません。


  現在の皇位継承資格者は、秋篠宮様、そのご長男である悠仁様、上皇陛下の弟である常陸宮様の3方しかいません。次世代は悠仁様だけです。皇室に入った女性は男子を生まなければならないプレッシャーから、体調を崩されることを繰り返してきました。悠仁様とご結婚される女性は、男子を生まなければ皇統が途絶えるという想像を絶するプレッシャーに耐えられるでしょうか。


  歴史と伝統、国民の理解、当事者である皇室の方々のお考えも踏まえ、静かにかつ遅滞なく議論を深めていかねばなりません。


  また、6方いらっしゃる未婚の女性皇族が今後一般男性との婚姻を機に、順次皇籍を離脱することになれば、皇族数は激減します。皇族数を一定程度保ち皇室活動を維持するためにも、女性皇族が一般男性と婚姻後も皇族の身分を保持できるよう女性宮家の創設も急務だと思います。


  

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