詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 №1156 『皇族の減少』

2018/11/19

  各党代表質問が行われた10月30日の本会議で、「無所属の会」を代表して登壇した私は、女性宮家の創設の検討を急ぐよう求めました。


  皇室制度のあり方については「皇室典範」に規定されていますが、その第12条は「皇族女子は、天皇および皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と定めています。ちょうど質問の前日にご結婚された高円宮家3女の絢子さんが、皇籍を離脱しました。これにより現在、男性皇族は4人、女性皇族は13人。未婚の女性皇族は6人ですが、ご結婚が続けば皇族は減少し皇室の活動の大きな支障となります。


  だから、女性皇族が結婚後も皇室にとどまる女性宮家の創設が可能となるよう、皇室典範を改正することが急務なのです。しかも、昨年6月に成立した「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の付帯決議には、法施行後速やかに女性宮家の創設を検討するよう政府に求めると明記しています。


  これらの事情から、私は女性宮家の創設について、「どのような組織で、いつ頃から検討を始め、いつ頃までに結論を出すのか」と、具体的な検討方法を質しました。


  安倍総理は、「さまざまな考え方があり、国民のコンセンサスを得るには十分な分析、検討と慎重な手続きが必要だ」と述べるのにとどまりました。皇族数が減少するという現実にしっかりと向き合い、可及的速やかに対策を講じようという姿勢を全く感じることができませんでした。


  そっけない答弁の背景には、総理のブレーンや支持者に「将来の女性・女系天皇への布石になりかねない」との警戒感が強いためでしょう。しかし、女性・女系天皇の問題とは切り離して、皇族数の減少や天皇陛下のご公務の負担軽減といった観点から、女性宮家の検討をすることは十分可能だと思います。


  総理ご自身も、女性宮家の創設よりも旧宮家の復活論に傾いているのかもしれません。果たして、該当するような方がいらっしゃるのでしょうか。私には、現実的だとは思えません。


  11月9日、小雨がそぼ降る中、天皇、皇后両陛下主催の秋の園遊会が赤坂御苑で開かれました。来年4月30日に天皇陛下が退位されるため、「平成最後」の園遊会でした。家内ともどもお招きにあずかり、両陛下が相合傘でお歩きになりながら、参加者と和やかに交流されるご様子を目に焼きつけることができました。皇太子妃雅子さまの15年ぶりの全行程出席も、注目を浴びていました。


  改めて、天皇の退位について各党各派がしっかりと議論し、国会の総意がまとめられ、約200年ぶりに天皇の生前退位を実現できたことは、憲政史上に残る成果だと思いました。そして、与野党の合意形成に深く関与させていただいたことを光栄に思いました。一方、皇族の減少等の喫緊の課題についても、政府においても国会においても速やかに検討し、合意形成を図るべきだと強く感じました。


  

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