かわら版 No.1055 『蓮根』
2016/09/26先の民進党臨時党大会の決意表明の中で、蓮舫代表はご自身の半生を語り、次のように名前の由来についても触れました。
「日本時代に台湾で生まれた祖母は、父が3歳になる時、夫が他界し、女手一つで父を含む4人の兄弟を育ててきた。時代が変わり、長い日本の統治が終わり、国民党政権下で白色テロ、あるいは戒厳令のもとで生きた祖母は子どもたちに「女の子の孫が生まれたら蓮という字を名前につけてもらいたい」と強く願ったと、父から何度も聞かされた。蓮は平和の象徴です。
初めて生まれた女の子の孫は、私でした。祖母は私に『いつか幸せな時が来たら、ハスの花を人々が愛でる静かな時間が持てるように。ハスの花の舟を、幾つも幾つも紡いでつないでいくことができるように』と、蓮舫という名前をつけてくれた。」
激動の時代をいきた祖母が、平和の願いを込めてつけた名前に、新代表は誇りを持っています。
「蓮」(ハス)は水底の土や泥に根を張り、水面に葉を展開させ、白またはピンク色の花を咲かせます。そして、ハスの地下茎が肥大して「蓮根」になります。「どじょう」演説で党代表に選ばれ、総理大臣を経験した私が、今回は蓮の花を下で支える蓮根役を仰せつかりました。そろそろ泥臭いイメージから脱却したかったのですが、様々な曲折と私の心の中の葛藤を経て、お引き受けした以上は泥まみれになって新代表を徹底してお支えする覚悟です。
蓮根には10の穴があいています。この穴は、根に外の空気を送り込む通気孔の役割を果たしています。党運営の基本も風通しです。特に、私の場合は、この点を十分に留意しなければなりません。穴に辛子の詰まった「辛子蓮根」(酒肴としては大好きですが)にならないよう、肝に銘じたいと思います。
まずは、臨時国会への対応です。会期は9月26日から11月30日まで。内閣改造後の国会ですので、新しい閣僚や「おんぶ政務官」も含めた新政務3役の資質は、野党として厳しくチェックしなければなりません。補正予算についても、十分な審議時間を確保して精査していかなければなりません。加えて、蓮舫代表を先頭に「提案型」の論戦も仕掛けていきたいと思います。
10月11日からは、東京10区及び福岡6区で衆院補選が始まります(投開票日は23日)。過去を振り返ってみると、低投票率に加え組織力を局地的に集中する補欠選挙の戦績は、あまり芳しくありません。また、東京10区も福岡6区も、いい候補者が何度も挑んできましたが、自民党の厚い壁にはね返され続けてきました。東京10区は、厚い壁だった小池百合子さんの知事転出に伴う選挙。福岡6区は、鳩山邦夫さんのご逝去による弔い合戦の様相があります。両選挙区ともに極めて厳しい選挙になると思われますが、挙党態勢で勝利をめざしていく決意です。