かわら版 No.978 『覇道に立ち向かう』
2015/01/05新年明けましておめでとうございます。昨年末の総選挙では皆様の温かいご支援のお蔭で議席をお預けいただくことができました。その重たい負託にしっかりとお応えしていく決意でございますので、本年も宜しくお願い申し上げます。
寒くて忙しい師走の上に大義なき解散。低投票率が予想されてはいましたが、まさか史上最低の約52.7%とは…。2012年に行われた前回選挙も年末でしたが、その時の投票率59.3%よりも大きく下落しました。
安倍総理は低い投票率を「大変残念」と述べられましたが、本気でそう思っておられるのでしょうか。私は、疑問に思っています。
私が2年前に衆院を解散したのは11月16日。投開票日は1か月後の12月16日でした。当時の藤村官房長官に内閣総務官や総務省の選挙部長と内々に詰めてもらったところ、在外選挙(海外に居住している邦人の投票参加)の周知徹底などの準備に最低約1か月は要するとの報告があったからです。確かに近年の選挙では、解散から投開票まで1か月以上の間を空けています。しかし、今回の解散は11月21日。投開票日は12月14日。その間隔は僅か23日間。在外投票などが円滑に行われたかどうかなどよく検証してみる必要があります。
さらには、衆院選の公示後12日間の選挙期間中、在京の地上波テレビ6局で選挙関連の放送時間が、前回選挙の同期間に比べ約4割も減ったことも国民の政治的関心を失わせたと思います。自民党は各局に放送の公平中立を求める要望書を渡していましたが、これが選挙報道を委縮させたのではないでしょうか。
野党の無力も低投票率の一因でしたので、その事は我々も猛省しなければなりませんが、少なくとも政権与党が投票率を上げる努力をしないどころか逆行する動きがあったことは極めて残念です。
もう一つ異例なことがありました。それは安倍総理のみならず菅官房長官までもが全国遊説に奔走したことです。危機管理上、歴代政権ではあり得ないことでした。野田政権下でも前出の藤村官房長官が地元に帰ったのは僅か1日。その時は、私が在京で留守番役を務めました。
解散・総選挙という限られた期間の間にも、安倍政権は従来の暗黙のルールや掟を次々と破り、その結果「黄金の4年間」を手に入れ、その基盤をさらに強化することに成功しました。選挙の結果という民意は厳粛に受け止めなければなりませんが、私は覇道の政治の始まりを強く危惧しています。
少数精鋭でも覇道に立ち向かう王道の政治をめざしていくこと、これが私の年頭の決意です。