5月20日、上海で中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領による首脳会談が行われました。中国は尖閣諸島を巡ってはわが国と、南シナ海における領有権問題についてはベトナムやフィリピンと激しく対立しています。ロシアはクリミア半島を同国に編入したことより、ウクライナ情勢を巡って米欧と激しく対立しています。いわば、「力を背景とした現状変更」を試みる国どうしが、米国や日本をけん制するための会談だったように思います。同病相憐れむような接近です。
注意すべきは、両国首脳が「歴史の改ざんと戦後秩序の破壊に反対する」として、第2次大戦の独ファシズムと日本軍国主義に対する戦勝70周年記念行事を来年共催するとしたことです。日本を「戦後秩序への挑戦者」としてレッテルを貼り、そのために盛大なイベントを開こうという意図です。特に、中国には強い意図があります。
2005年5月、モスクワで対独戦勝60周年を祝う記念式典が開催された時、当時の小泉純一郎首相が出席しました。スターリンの赤いファシズムがナチスドイツに勝ったことが、私にはとてもおめでたいことだとは思えず、全く理解できませんでした。さすがに来年の式典には、日本も名指しされているのでわが国の首脳が出席することはありえないと思いますが…。
わが国のとるべき方針は、感情的にならず冷徹なリアリズムに徹することです。まずは、世界第1位と第3位の経済大国による日米同盟を揺るぎのないものにすること。そして、日本は戦後一貫して平和国家として歩んできたことを、アジア各国をはじめ国際社会に訴え続けることです。
ちなみに5月20日は、私の57回めの誕生日でした。松下政経塾で政治のあるべき姿を学んでいた時代、毎朝唱和していた「五誓」の中の一つ「素志貫徹の事」を、改めて胸に誓いました。
「常に志を抱きつつ懸命に為すべきを為すならば、いかなる困難に出会うとも道は必ず開けてくる。成功の要諦は、成功するまで続けるところにある」
という中身です。
今後も国家・国民の為に全力を尽くしていく決意です。