詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.939 『伸ばせ個性の芽』

2014/02/17

  ソチ冬季五輪で見る白銀の世界には、心が躍ります。しかし、身近な地域における降雪は、犬が喜び庭かけめぐるのは歌の中だけで、現実は交通事故や転倒などの雪害ばかりです。それにしても、今年はよく降りますねえ-。


  積雪を見るたびに、思い出すエピソードがあります。それは、30年程前にある教育雑誌に載っていた話です。小学校の理科のテストで「雪がとけたら何になる?」という設問がありました。答えは「水」です。ところが、ある雪国の少女が「春」と回答しました。担当の先生は「×」を付けましたが、その事の是非が論争になっているという紹介記事でした。


  当時私は、「雪がとけたら春になる」という感性を不正解とする教育に未来はないと思いました。


  20年程前、ある新聞の投書欄に寄せられた老婦人の声に目が留まりました。小学生の孫娘が泣きながら帰ってきたので、理由を尋ねたところ、図画の授業中に先生からこっぴどく叱られたとの事でした。皆で机の絵を描いたのですが、他の生徒は見たまま茶色で描いたのに、孫娘だけが大好きなピンク色で机を描いたからでした。


  これまた感性に関わる問題であり、厳しく叱る以外に指導方法はなかったのかと思いました。これらのエピソード等も踏まえ、以来、私の教育政策の理念は「さらば平均点、伸ばせ個性の芽」となりました。


  新たな万能細胞の発見という世界が仰天する研究成果を発表した30歳のリケジョ(理科系女子)、小保方晴子さんはまさにその到達点です。ピンク色の壁に花柄のソファ、画期的な研究に取り組んだ研究室自体が独創的です。おばあちゃんから頂いたというかっぽう着には、小保方さんを励まし続けた家庭の温かさを感じます。彼女は、松戸六中、東邦高校と千葉県内の学校で学んでいますが、どんな校風の中で彼女の個性が育まれたのでしょうか。


  上から価値観を押し付ける教育よりも、既成にとらわれない自由で柔軟な心を育てる教育こそ、今の日本には必要だと思います。

 

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