詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.897 『TPP』

2013/02/18

  1941年8月、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領と英国のウィンストン・チャーチル首相は、「大西洋憲章」という戦後世界の平和構築のためのプランを発表しました。この構想に後にソ連のスターリン首相なども加わり、1945年10月の国際連合誕生へと結実しました。


  時は変わり、今や世界の成長エンジンはアジア太平洋地域に移りました。私の夢は、この地域における繁栄と平和を実現するための秩序とルールづくりを、日米両国が主導することでした。その第一歩が、昨年4月末に訪米した折に、オバマ大統領と共に発出した日米共同声明「未来に向けた共通のビジョン」です。これは大きなチャンスとリスクが併存するアジア太平洋地域と世界の平和、繁栄を推進する「太平洋憲章」の序曲です。


  私は、かねてより日米同盟が日本外交の基軸であるという信念を有していました。東日本大震災の際の米軍による「トモダチ作戦」を見て、その信念は揺るぎない確信となりました。核実験を強行した北朝鮮への制裁や東シナ海や南シナ海の海洋をめぐるルールづくりにおいても、日米両国の連携が不可欠です。


  アジア太平洋地域における自由貿易圏(FTAAP)実現のための重要な道筋が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)です。私は、この地域における貿易・投資のルールづくりの意義は大きいと判断し、一昨年11月にTPP交渉参加にむけて協議に入りました。この決断は、停滞していた日中韓FTAやASEAN諸国をも取り込むRCEP(東アジア地域包括的経済連携)や日EU・EPA(経済連携協定)などの交渉開始を加速する結果となりました。これらが成就すれば、日本は世界に冠たる通商国家に復権することができます。種は捲きました。後は、安倍政権次第です。


  特に、TPPは大詰めの段階を迎えています。私は、昨年11月、カンボジアで開催されたASEAN首脳会議に出席した際、オバマ大統領と会談し、TPP交渉参加にむけての協議を早期に結論を得られるように加速することで合意しました。この時、私はTPPをビートルズにたとえました。


  「米国がジョン・レノンとしたら、日本はポール・マッカートニーです。他国がジョージやリンゴとまではいいませんが…。ジョンとポールが仲良くやらなければビートルズがうまくいかないように、日本が入らないTPPはありえません」と。


  オバマ大統領は大笑いしながら、「私はポールが大好きだ」と答えました。
  2月22日、日米首脳会談が予定されています。安倍政権は決断できるでしょうか。

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