かわら版 No.1432 『選択の時が来た‼』
2024/11/2511月28日から臨時国会が召集されます。翌29日に石破茂総理大臣の所信表明演説が実施され、12月2日~4日に衆参で各党代表質問が行われます。論戦の火蓋を切るトップバッターは私が務めます。5日は予算委員会でも質問に立つ予定です。
臨時国会では補正予算や政治資金規正法が重要な議案となります。国会人事で立憲民主党が衆院法務委員長を獲得して以来、「選択的夫婦別姓」がにわかに注目されるようになりましたが、同制度を導入するための民法改正案は来年の通常国会で審議されるでしょう。関心が高まってきていますので、その意義を頭出ししておきます。
法制審議会は1996年、民法第750条を改正し、婚姻時に夫婦同姓・別姓のいずれも選択できる選択的夫婦別姓制度の導入を答申しました。しかし、政府が重い腰を上げようとしなかったので、野党が少なくとも衆院で9回、参院で16回法案提出してきましたが、ほとんど審議されず今日に至っています。
国連の女性差別撤廃委員会は2003年以来、4回も民法改正を勧告しています。「国会で論ぜられ、判断されるべき」事柄との最高裁判決が出されてからも8年が経過しています。選択的夫婦別姓は国民の7割以上が賛成し、経団連も早期実現を求めています。
機はとっくに熟しているのに全く議論が進まないのは、自民党の一部に根強い反対論があるからです。2022年6月、野党5党が民法改正案を共同提出しましたが、審議されないまま先の衆院解散で廃案になりました。
反対論者は家族の一体感が損なわれるとか、兄弟で姓が違ったら子どもが困ると言います。しかし、それは政治家ではなく親が考えることです。兄弟で名字が違ったら可哀そうだと考えたら同姓にするでしょうし、違っても構わないと考えたら事情により別姓にすることもあるでしょう。
別姓で家族の一体感が損なわれることがないと考える家族だけが、別姓にすればいいだけのことです。逆に同姓でも一体感のない家族もあります。いずれにしても選択制なのです。子どものいない夫婦もいますから、子どものことだけで別姓に反対する根拠は薄弱です。
自民党総裁選では別姓に反対する政治家が、旧姓の通称使用で不便はなくなっているとして、パスポートも今は旧姓の併記が可能だと説明しました。これはパスポートにかっこ書きで旧姓が併記されるだけで、ICチップには旧姓は入っておらず支障が出ています。
海外で活動する上でハンディになるのみならず、国内においても改姓による業績、研究実績(論文、特許等)、事業承継における困難など女性活躍の妨げになっています。だから、経団連も問題にしているのです。
法務委員長を立憲が得たことにより、永田町でも化学変化が生まれてきました。公明党の斉藤鉄夫代表が「石破総理を通じて自民党を説得したい」と、発言しました。30年ぶりに別姓法案の審議が動きそうです。