かわら版 No.1431 『次々と法案提出』
2024/11/18所得税がかかる年収の最低ラインの「103万円の壁」の見直し協議が、自民、公明両党と国民民主党の間で進められています。この動きを注視していきたいと思いますが、立憲民主党は各種の年収の壁の中で、手取りがガクッと減る130万円こそが最も重大な壁だと考えています。
①自営業・フリーランスの人、②従業員50人以下の事業所で働く短時間労働者は、「130万円の壁」を超えて被扶養者でなくなった際に、国民年金・国民健康保険の保険料を支払い手取りが減ることになる一方、年金給付等のメリットは得られないからです。
そこで、「130万円の壁対策法案」を国会に提出しました。年収130万円を超えた人を対象に「就労支援給付制度」を創設し、手取り収入が減らないように最大30万円の給付金を出す仕組みです。給付額の幅を徐々に減らし、原則年収200万円まで支援します。対象は356万人。約7800億円の予算規模になります。
自公と国民民主が協議している所得税が課せられる年収の基準を103万円から178万円に引き上げると、7~8兆円も税収減になってしまいます。立憲案はより効果的にパートやアルバイトの働き控えを救済できると思います。
「保険証廃止延期法案」(保険証併用法案)も国会に提出しました。マイナ保険証に対する国民の不安や疑問の声は強く、利用率はいまだ14%弱(9月時点)です。このような状況下で強引にマイナ保険証への一本化を進めれば、国民や医療機関、福祉施設等に大きな混乱をもたらします。
「不安払拭なくしてデジタル化なし」です。国民皆保険の下、誰もが必要なときに必要な医療が受けられる体制を堅持するためにいったん立ち止まり、12月2日の健康保険証の廃止を延期して、国民の不安払拭など一定の条件が整うまでは現在の健康保険証を存続させ、マイナ保険証の利用は本人の選択制とすべきです。
11月下旬から開催される臨時国会においては、「学校給食無償化法案」も提出する予定です。現在、学校給食費は保護者負担です。年平均で公立小学校は5万1568円、公立中学校は5万9037円となっており、昨今の物価高騰の影響を受け負担は増加しています。一部の市区町村では自治体独自の取り組みにより無償となっていますが、誰もが安心して安全な給食を食べられるようにするため、国による一律支援が必要です。
その他、訪問介護の基本報酬引下げによって訪問介護が受けられなくなる要介護者や介護離職が増加することを防ぐため、報酬引下げの実質的な撤回・見直しの効果を持つ「訪問介護緊急支援法案」も提出予定です。
すべての介護・障害福祉事業所で働くすべての職員に対し、月額1万円の処遇改善を行う「介護・障害福祉従事者処遇改善法案」、保育所、幼稚園、認定こども園、学童保育、児童養護施設、乳児院等で働くすべての職員に対して、月額1万円の処遇改善を行う「保育士・幼稚園教諭等処遇改善法案」も提出します。