詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.907 『56歳の決意』

2013/05/20

  外国為替市場では、1ドル=100円台まで円安が進んでいます。自動車や家電などの輸出関連産業にとっては追い風です。私も、日本経済の実力とはかけ離れた円高は、是正されるべきだと思います。


  ただし、何事にも功罪があることを忘れてはなりません。円安の進行は輸入物価を押し上げます。わが国の輸入の大半はエネルギーと食糧ですから、要は燃料費や電気代、食料品などが値上がりするということです。


  燃料価格の高騰は、タクシーやトラック業界の経営を圧迫します。油や飼料の高騰は、農業者や水産業者も苦しめます。そして、最後は、消費者に悪影響を及ぼします。


  家庭においても、ガソリン、電気代、食費の値上げは、可処分所得を減らし家計を圧迫します。物価が上がる以上に賃金が上がれば問題はありませんが、厚労省のまとめでは、3月の平均給料は野田政権末期の昨年12月より減っています。


  株価も急ピッチで上昇しています。その事自体悪くはありませんが、長期金利もじわじわと上昇していることについては、細心の注意が必要です。株を買って儲けた人が幸せになれる社会を否定しませんが、生活費が先で株は買えない人も幸せになれる社会を私は目指しています。


  世の中がアベノミクスに浮かれている時だからこそ、たとえ嫌われようとも、冷静に警鐘を鳴らしていこうと思います。


  歴史認識においても、軽佻浮薄な議論が横行しています。日本維新の会の橋下徹共同代表による一連の慰安婦発言はその最たるものでしょう。居酒屋の与太話みたいな内容なので、詳しく論評する気にもなりません。ナショナリストを気取ったポピュリストの軽口は国益を損ねます。私は、リアリズム(現実主義)に徹した穏健な保守の路線を貫いていきます。


  5月20日、56歳の誕生日です。まだ、老け込むには早いでしょう。経済・財政も外交・安保もとんがった人気取り政策が目立ちます。でも、極論の先に正解はありません。今後も落ち着いた議論を先導していく決意です。

 

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