詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1386 『総理の政治姿勢を問う』

2023/11/27

  議席数の約3分の2を占め政権を握る自由民主党と、約3分の1の議席数を保持する野党・日本社会党が対立する構図は1955(昭和30)年から始まります。この「55年体制」の草創期の1957(昭和32)年、岸田文雄総理と私が生まれます。


  そして、55年体制が崩壊し細川非自民連立政権が誕生した1993(平成5)年、岸田総理も私も衆院選で初当選します。熱い激論の積み重ねを経て、94年に選挙制度改革や政治資金制度改革などを柱とする政治改革関連法が成立した時は、感無量でした。


  それから30年。緊張感を欠く1強多弱の時代となり、改めて政治改革の原点に立ち返り、制度を見直す不断の努力が求められています。こうした時代認識の下、同世代で同期当選の岸田総理の政治姿勢を、 11月22日の衆院予算委員会で質しました。


  まずは、自民党の5派閥の政治団体が、政治資金パーティーの収入について約4000万円も過少記載していたことをとり上げました。前日まで総理は派閥に遠慮して、「各政治団体が適切に対応すべき」と他人事のように言い、ミスをしたら修正すればいいとうっかりミスが続いているような答弁を繰り返していました。


  私は「政治に対する信頼を取り戻すためにリーダーシップを揮ってドブさらいをしなければいけない」と、自民党総裁としての責任ある姿勢を求めました。総理は渋々、「党の総裁として幹事長に指示を出し、説明責任、適切な説明がおこなわれることを徹底したい」と、答弁しました。


  次に自民党の世襲議員の多さを指摘しました。委員会室で居並ぶ閣僚の顔を眺めながら、「半分はお父さんの顔が浮かぶ、義理のお父さんやおじいちゃんの顔が浮かぶ人もいる」と、切り出しました。そして、「総理は3世ですよね。ジュニアに委ねると4世でしょ。ルパンだって3世までですよ。歌舞伎役者じゃないんだから」と、たたみかけました。


  総理は「国民が幅広く有能な人材を選べる制度や仕組みを作っていく努力は絶えずしなければならない」と、述べるにとどまりました。私は世襲制限の取り組みが「令和の最大の政治改革」だと思っています。立憲民主党は国会議員が政治団体を親族に引き継ぐことを禁止する法案を提出しています。自民党にも向き合ってほしいと思います。


  北朝鮮が11月21日、「軍事偵察衛星」を打ち上げました。この動きに備えて、防衛大臣による破壊措置命令が継続されている間、たびたび解散風が吹いたことについても問いました。自衛隊が厳戒態勢にある中、政治空白をつくるなんてありえないと思うからです。


  総理はしらを切る答弁でしたが、火のないところに煙は立ちません。2年前の総選挙公示日、北が弾道ミサイルを2発発射した時、総理も官房長官も官邸不在でした。岸田総理は危機管理よりも政局を優先しがちです。


  総理は任命権者としても自衛隊の最高指揮官としても適材ではありません。


  

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