かわら版 No.895 『同じ轍』
2013/01/28先の総選挙で一敗地にまみれた民主党は、真摯な総括を通じて党の再生を図らなければなりません。落ち武者の大将である私がとやかく言うべきではありませんが、生活者・消費者・納税者・働く者のための政治を軸足に置いている限り、必ずや出番が到来すると確信しています。
今はその時に備えて、徹底して日常活動に励むこと、たくさん四股を踏んで自らを鍛えることが大事です。相撲も政治も、強くなるためには「腕力」よりも「足腰」の鍛錬が重要だと思います。
政権与党に返り咲いた自民党も、その政権運営の成否は過去の教訓を生かせるかどうかで決まります。
かつて「いざなぎ景気を超えた戦後最長の景気」といわれた時代がありました。小泉政権の頃です。確かに、企業収益は右肩上がりでした。しかし、働いている人たちの給料は右肩下がりでした。格差が拡大し、ワーキングプアという言葉が生まれたのもこの頃でした。
安倍政権は、大胆な金融緩和などで物価上昇率2%を達成しようとしています。しかし、生活必需品は値上がりしても、給料が上がらなければ国民生活は苦しくなるだけです。小泉政権と同じ轍を踏まないためにも、経済成長の目的は、雇用をつくり給料を引き上げ、国民の暮らしが豊かになることだと肝に銘ずべきです。
安易な公共事業の大盤振る舞いも禁物です。1990年から2009年までの間、約200兆円の公共事業がばらまかれました。この間に約430兆円もの借金がつくられました。この時代を、私たちは「失われた20年」と呼んでいます。失われた時代への逆戻りだけは断じて避けなければなりません。
1月28日から通常国会が始まります。極論の先に正解はありません。そのような観点から「アベノミクス」をチェックしていきます。