詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1311 『5千円給付は白紙に』

2022/04/04

  岸田総理はウクライナ情勢に伴う原油や穀物などの高騰を受け、4月末までに緊急経済対策を取りまとめるよう関係閣僚に指示しました。過去最大規模の総額107兆円超の令和4年度予算が成立したばかり。この時期の追加対策は異例です。


  政府・与党が検討していた高齢者らに一律5千円を配る「年金生活者臨時特別給付金」は、野党のみならず与党内でも評判が悪かったため白紙に戻して再検討することになりました。天下の愚策の撤回は当然です。


  そもそも5千円給付案は、自民、公明両党の幹事長らが官邸を訪ねて総理に申し入れたことが発端でした。平成30~令和2年度の現役世代の平均賃金の下落(コロナ禍の影響だけではない)に連動して、4月から基礎年金の受給額が0.4%、年額で数千円程度の減少となる高齢者らを支援する名目でした。


  約2600万人が受給対象。事業規模は多額の事務費も含めて約2千億円。支援対象や政策効果を吟味した形跡はなく、与党幹部の思いつきによる選挙対策のバラマキであることは明らかでした。


  参院選の公示は6月22日。投開票は7月10日です。減額された4、5月分の年金が支給されるのは6月15日。投票率の高い世代の反発を恐れ、一時金で年金の減額を誤魔化そうとしたのでしょう。魂胆は丸見えです。国民の血税を選挙対策費として使おうとする浅ましさは、究極の党利党略と断ぜざるをえません。


  現役世代はもちろん、年金受給者からも批判の声が湧き起こりました。さすがに政府・与党もアベノマスクの二の舞になりかねないと判断し、白紙化せざるをえなくなったのだと思います。しかし、今後は別の名目で年金受給者以外にも対象を拡大し、より巨額なバラマキをする可能性が大です。選挙前にニンジンをぶら下げるのは自・公の常套手段ですから、要注意です。


  的を絞った効果的な物価高対策は必要です。その財源にコロナ対応として計上した5兆円の予備費を充てるべきではありません。感染の防止や緊急的な医療体制の整備などを想定して計上したものであり、第7波への警戒が強まりつつある中、コロナ対応の目的外使用、流用は避けるべきです。しっかりと補正予算を組んで物価対策を講じるべきです。


  岸田政権が緊急の物価対策に動く一方で、日本銀行は無理やり長期金利を抑え込み円安を加速させています。行き過ぎた円安は輸入物価を押し上げ、政府の物価高対策を相殺することになるでしょう。


  異次元の金融緩和が9年も続くと、もはや異次元ではなくニューノーマル(新常態)になってしまい、そこから抜け出せなくなってしまいました。袋小路にはまってしまった日本銀行の金融政策について、4月5日(火)の衆院財金委において黒田日銀総裁と丁々発止の議論をしようと思います。


  

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