かわら版 No.1294 『18歳以下10万円給付』
2021/12/014名が立候補した立憲民主党代表選挙は、上位2名による決選投票の結果、泉健太氏が勝利しました。プロ野球では昨年セ・リーグ最下位だったヤクルトが見事日本一になりました。立憲も新代表を先頭にチームの底力を上げていきたいものです。
まず真価が問われるのが、12月6日に召集される臨時国会です。過去最大の35.9兆円もの2021年度補正予算案の審議が行われます。国債を22兆円も増発して組んだ予算ですが、「規模ありき」で与党が議論を進め、十分に政策の中身が吟味されたとは思えません。
その代表例が、18歳以下の子どもがいる世帯への10万円相当の給付です。そもそも何のための給付なのか目的が不明確です。経済対策だとすれば、貯蓄に回らず消費喚起につながると言えるのかどうか。子育て支援とすれば、1回限りではなく恒久的にすべきでしょう。困窮者支援だとすれば、子どものいない困窮者との公平感が問われます。
給付の方法も疑問です。中学生以下へは児童手当の仕組みを使い、現金5万円が年内に給付されます。高校生世代は申請方式となるため、現金5万円が手元に届くのは中学生以下より遅れます。中学生以下、高校生世代とも残り5万円分は、来春の新学期に向けてクーポン券で支給されます。なぜ現金とクーポンに分けて支給するのでしょうか。
立憲民主党の後藤祐一議員によると、「現金給付の事務費は約300億円だが、クーポンも合わせると事務作業に約1200億円かかる」と、政府から説明を受けたそうです。なぜ約900億円も余計に経費をかけて、クーポンで給付する必要があるのでしょうか。来春のクーポン券配布は来夏の参院選をにらんだ選挙対策かもしれません。
18歳以下10万円給付の費用は予備費から7311億円、補正予算で1兆2162億円が計上され、総額1兆9473億円です。給付金総額約1.9兆円の事業だけでも、このように目的も手段も疑問がてんこ盛りです。
過去最大規模と政府与党が誇る35.9兆円の補正予算が、真に賢い支出なのか愚策の寄せ集めなのか、厳しくチェックするのが野党第1党の責任です。新代表を中心に結束してその責任を果たしていく決意です。