詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1289 『ワニのあご』

2021/10/11

  近年で日本財政が最も健全だったのは1990年でした。歳出は約70兆円、税収は約60兆円。その差の約10兆円が借金でした。その後、歳出は2000年に約80兆円、2010年に約90兆円と右肩上がりで伸び続けます。税収は00年に約50兆円、10年に約40兆円と逆に右肩下がり。


  歳出と税収の推移をグラフ化すると、歳出(上あご)と税収(下あご)の差は「ワニの口」のように広がりつつありました。そこで、私は総理の時に社会保障と税の一体改革を進め、ワニの口を少し閉じようとしました。


  ところが、昨年度はコロナ禍により3次にわたり大型補正予算を組み、歳出総額は175兆円まで膨らむ一方、税収は落ち込みました。その結果、新規の借金は空前の113兆円に激増しました。ついにワニのあごは外れ、特に上あごはめくれ上がりました。


  にもかかわらず、与野党ともに大盤振る舞いを競い合う総選挙になるでしょう。コロナ禍の収束の見通しが立たない以上、一定の財政出動は不可避と思います。でも、賢い支出に徹すべきです。


  そして、子や孫の世代への責任についても、併せて語るべきでしょう。私は、コロナ後にプライマリーバランス黒字化を実現するための中長期計画を策定すること。現実的な推計や提言をするため、政府から距離を置く「独立財政機関」を設置すること。異次元緩和により政府の打ち出の小槌化した日銀の金融政策を正常化すること。これらは最低限公約に掲げます。


  異常な放漫財政に立ち向かい、「オオカミ」少年と呼ばれても財政規律を訴え続けます。将来世代のために外れたワニのあごを元に戻すことが、私の使命です。


  

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