詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1213 『新型インフルエンザ等特措法』

2020/03/09

  安倍総理は2月27日夕刻、週明けから全国の小中高校及び特別支援学校の一斉休校を要請すると発表しました。学校現場をあずかる文部科学大臣も危機管理を担当する官房長官も、この対策を知ったのは発表当日だったそうです。


  卒業式や受験を控えた中での唐突な発表に、自治体や学校は大きく混乱しました。保育園・幼稚園そして学童保育はなぜ除外なのか。小学校低学年や障害を抱えたお子さんを持つ家庭にどう対応していくのか。給食のキャンセルなど休業によって発生する損失についてはどうするのか。様々な課題も浮き彫りになりました。


  総理の独善的な思いつきに、懸命に現場対応しているのが現状です。それにしても、新型コロナウイルス対策の初動は後手後手でしたが、2月25日に「基本方針」、翌26日にイベント自粛、そして27日に一斉休校と日付をまたぐたびに大方針が打ち出され始めました。


  車の運転で例えると長らくローギアで走行していましたが、突然にトップにギアチェンジした感じです。無免許か初心者のような狼狽ぶりです。あらゆる事に習熟した長期政権だと思っていましたが、危機管理については未熟としか言いようがありません。


  ところで、民主党政権下の2009年に新型インフルエンザが発生しましたが、政府一丸となって取り組み、その後の大規模な流行(パンデミック)を防ぐことが出来ました。この経験から野田内閣は2012年4月、インフルエンザに限らずあらゆる新型の感染症に対応し、迅速に必要な措置を講じることを可能にする「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を制定しました。


  今回も私たちは当初からこの法律の適用を主張し、行動計画を立てるべきだと進言してきましたが、政府は聞く耳を持たず結果的に国内各地で感染が拡大してしまいました。そして、今頃になって安倍総理は、この特措法改正に向けた野党の協力を要請してきました。


  もとより国民の命と健康を守るためなら、与野党の枠を超えて協力できることは協力する決意です。どうしても法改正が必要なら、その早期成立に手を貸すこともやぶさかではありません。しかし、私は現行法のままでも十分に適用できると思っています。旧民主党のつくった法律をそのまま活用したくないのだとしたら、あまりにも了見が狭すぎます。


  いずれにしても、法的根拠もないまま、総理が思いつきで指示や要請を連発する現状を改めることは急務です。わが国は人治国家ではなく法治国家ですから。


  

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