かわら版 No.1204 『五輪の年を迎えて』
2020/01/06新年明けましておめでとうございます。
2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される年です。日本にとって訪日客の拡大や対外発信のチャンスに恵まれる年です。私も各種競技のチケットを入手しようとしましたが、抽選の結果は全滅。残念ながらテレビ観戦です。
1964年の東京五輪開催の時、私は小学校1年生でした。それまでは野球と相撲しか見たことがなかったのですが、多種多様なスポーツを知る機会となりました。西部劇やプロレスが好きだったのでアメリカは知っていましたが、柔道のヘーシンク、体操のチャフラフスカ、マラソンのアベベらの活躍を通じて、オランダ、チェコ、エチオピア等の国々を初めて知りました。
56年前のオリンピック自国開催が、1年坊主の見聞と視野を飛躍的に広げたことは間違いありません。今夏も子どもたちの記憶に鮮烈に残る平和の祭典となるよう、心から期待したいと思います。
一方で、様々なリスクに晒されていることも認識しなければなりません。まず、開会式や注目度の高い競技を狙ったテロや、ロンドン五輪の時に悩まされたサイバー攻撃には最大限の警戒が必要です。
また、大会期間中に猛暑や台風が重なれば、日本の激甚災害リスクや環境対策が世界の注目の的になります。海外からの投資やビジネス展開、インバウンド観光にも甚大な悪影響を及ぼしかねません。あらゆる災害を想定し、その対応に万全を期さなければなりません。
オリンピック・パラリンピックは限りない夢と希望とともに、様々なリスクも内包しています。しっかりと備え大会を成功させ、本年を新時代を拓く契機となる年にしたいものです。
新春号ですので思わず先のことに筆が走ってしまいましたが、昨年やり残した宿題も忘れるわけにはいきません。公私混同の極みというべき「桜を見る会」の問題について、資料をシュレッダーで廃棄したり、説明責任を果たさずに臨時国会を閉じたりなど、安倍政権は「臭いものにフタ」作戦で逃げ続けています。
辞任した経産大臣も法務大臣も、国会を長期欠席し雲隠れ。加えて年末には、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件が明らかになり、自民党の現職衆議院議員が収賄容疑で逮捕されました。
政界では大掃除をしないで越年してしまったような、何とも言えない気持の悪い空気が漂っています。通常国会の冒頭は、これらの疑惑を解明しけじめをつけなければなりません。腐臭がプンプンする長期政権のドブさらいをしなければ、これからも次々とハエや蚊が発生し続けることでしょう。