詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1180 『「一強」を倒すために』

2019/06/10

  参議院の議員定数を6つ増やす法律が強行採決されたのは、ちょうど1年前の6月でした。参院の定数が増えるのは、本土復帰後の沖縄に選挙区が設けられた昭和45年(1970年)以来のことです。6増は自民党による自民党のための党利党略だけで決められました。


  日本の人口は8年連続で減少中です。今後も増える見込みはありません。そうした状況の中で国会議員の定数を増加させることは、どんな屁理屈をこねても誰も理解できないでしょう。非常識極まりません。


  しかも、今年の10月1日から消費税が10%に引き上げられる予定になっています。本来ならば国民に負担をお願いする前に、国会が自ら身を切る覚悟を示すべきです。消費税増税前に議員定数を削減することは、7年前の党首討論で約束していたはずです。それとは真逆の定数増は、暴挙としかいいようがありません。


  いよいよ7月の参院選の直前となり、与党は批判をかわすために参院議員の「歳費自主返納法案」を国会に提出しました。そして、6月5日の参院本会議で可決しました。この法案において、議員1人あたりの返納額は「月額7万7千円を目安とする」とされるだけで、自主返納ですから返納額総額の見込みは確定できません。


  加えて、3年間の時限立法ですから、定数6増分の任期6年間分の歳費の増加と会館工事費用を合わせた約31億円には、到底及ばないことは明白です。まさに、国民を欺く法案です。こんな滅茶苦茶がまかり通る「一強」支配を打破するために、「多弱」の野党はしっかりと連携して参院選を戦わなければなりません。


  5月28日、野党5党派の党首会談が開催されました。私も「社会保障を立て直す国民会議」の代表として参加しました。この会談で32の参院1人区のうち、31選挙区において野党候補の1本化を決めました。6年前の参院選は1人区で野党がバラバラに戦ったため、勝てたのは2選挙区だけでした。3年前は1本化して戦ったので、11選挙区で勝利しました。その意味では今年の参院選に向けて、ようやく戦うスタートラインに立つことができました。


  党首会談では、衆院小選挙区の候補者調整を急ぐことも合意しました。ダブル選挙の可能性も指摘される中、小選挙区の空白を埋め、解散になっても受けて立つ準備をしておかなければなりません。衆参同日選にならなくても、小選挙区の空白がなくなることは、参院選にとって大きなプラスになるからです。


  その上で、「自党の党勢拡大ができればいい」という考えを捨て、野党全体として思い上がった自民党を倒していく気持ちにならなければなりません。その為には、さらなる工夫や仕掛けが必要だと思っています。時間はありません。今月が正念場です。


  

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