詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1157 『暴言の波紋』

2018/11/26

  11月20日に開催された衆院財務金融委員会において、麻生太郎財務大臣が東大卒の北九州市長を「人の税金使って学校行った」と批判したことに対する質問が集中しました。安倍政権は教育無償化を掲げています。その財源は税金です。税金で皆が学校に行けるようにしようとしている時に、麻生発言はあまりにもトンチンカンです。


  暴言は国境を越えて悪影響を及ぼす可能性もあります。


  12日にペンス米国副大統領が来日しました。翌13日、安倍総理と会談しました。しかし、麻生副総理兼財務相との「日米経済対話」は実現しませんでした。


  日米経済対話とは、両国の経済関係を更に大きく飛躍させ、日米両国、アジア太平洋地域、ひいては世界の経済成長をリードしていくために立ち上げた、麻生副総理とペンス副大統領をヘッドとする両政府の経済対話の場です。第1回は昨年4月に東京で、第2回は昨年10月にワシントンで開かれました。しかし、その後1年以上も開かれていません。


  麻生大臣は昨夏、「政治家は結果が大事。何百万人も殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメ」と、発言したことがあります。当時、国際社会で大きな波紋を呼びました。私は財金委において、このナチスを例示した発言が日米経済対話の停滞につながっているのではないかと質しました。


  トランプ政権はエルサレムをイスラエルの首都として認定し、米国大使館をエルサレムに移転しました。米国のユダヤ系が支持基盤であり資金源だからでしょう。ペンス副大統領もキリスト教右派の福音派であり、米国ユダヤ人協会とは親密な関係です。このような米国の事情を念頭に入れての質問でした。


  麻生大臣は、「その種のことでペンス副大統領との間に意思の疎通が滞っていることはない」と、答弁しました。私は、滞っていないことを具体的に証明するには、直接会う機会をつくるしかないと指摘しました。


  一方、キャッシュレス決済でのポイント還元策について、大臣が閣議後の記者会見で、「田舎の魚屋で買い物したことがあるか知らんけど、大体クレジットカードなんかやっている人はいないからね。どれだけうまくいくか」と、発言したことは評価しました。カードをもたない高齢者や子どもは、ポイント還元の恩恵に浴しません。


  プレミアム商品券が2014年に導入された時、予算計上は2500億円でした。消費喚起効果は1019億円でした。効果がなかったということです。


  来年10月に消費税を引き上げた後の反動減対策として、ポイント還元やプレミアム商品券など、あの手この手と検討がなされていますが、選挙対策を意識したバラマキとならぬよう、厳しく精査するようにクギを刺しておきました。


  

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