かわら版 No.1144 『きらきら眼鏡』
2018/08/20葛飾小、葛飾中に学び、祖父の代から船橋市に住む人気作家・森沢明夫の小説「きらきら眼鏡」が映画化され、まもなく公開されます。8月18日、その試写会が開催され、鑑賞させて頂きました。
西船橋の古書店で見つけた1冊の古本をきっかけに、男女が出会い、運命が動き出すラブストーリーでした。ネタバレは興ざめですので、これ以上あらすじについては触れませんが…。人生観、死生観、恋愛観がいっぱい詰まったしみじみとした作品でした。映画を「見る」というよりも、「観る」と表現したほうがいいかもしれません。
監督は「つむぐもの」の犬童一利。新人・金井浩人と笑顔が素敵な池脇千鶴がダブル主演です。脇役も魅力的な俳優陣で固められています。そして、市民参加型映画づくりをめざしているので、オーディションで選ばれた多くの市民がキャストとして、エキストラとして出演しています。銀幕の中で知人の顔を発見できる喜びを、私は初めて経験しました。
また、船橋を舞台にした物語ですので、市民にとっては見覚えのある場所が、随所に登場してきます。北習志野駅、海老川沿いの道、西船橋駅前の居酒屋「一九」など、例を挙げたらきりがありません。従って、ごく自然に親近感が湧いてきます。勝手知った場所や知り合いの姿などがふんだんに散りばめられた映画ですから、市民にとっては見どころ満載です。その意味では、映画を「見る」だけでも価値ありです。
本編終了後に流れるエンドロールは必見です。2年がかりの映画製作を主導した「船橋宿場町再生協議会」をはじめとする様々な団体や、映画に関わったありとあらゆる方々のお名前を確認することができます。その膨大さから船橋の映画を創ろうとした大勢の市民の熱意がひしひしと伝わってきました。この熱伝導に鳥肌の立つような感動を覚えました。
市民の結集力こそ、地域活性化の原動力となるはずです。このことを学ばせてくれた今回のチャレンジは、市民と協働したまちづくりを推進する上で、大きな財産となることでしょう。船橋市の市制80周年記念事業の一環とされる意味を、改めて理解することができました。
映画「きらきら眼鏡」は、9月7日(金)より「TOHOシネマズららぽーと船橋」で先行上映されます。9月15日(土)有楽町スバル座、9月29日(土)シネマート新宿ほか全国上映も順次開始されます。
是非、皆様も見て下さい。観て下さい。