かわら版 No.1075 『北朝鮮対応現場』
2017/02/2012日早朝、北朝鮮は新型ミサイルを発射し、ミサイルは日本海に落下しました。繰り返される弾道ミサイル発射や核実験は、わが国を含む東アジアの平和と安全を損なう重大な脅威であり、北朝鮮に対し厳重に抗議しなければなりません。
また、今回の行為も、累次の国連決議違反であることは明白であり、国際社会への挑戦です。北朝鮮は自らの行為が自らの首を絞め、国際社会からの一層の孤立を招いていることを自覚すべきです。
政府は、米国、中国、韓国等と連携し、北朝鮮の核・ミサイル開発の放棄にむけて強いリーダーシップを発揮すべきです。また、国連安保理非常任理事国として国際社会と協調し、こうした挑発行為が繰り返されることのないよう、北朝鮮への各種制裁がより効果的になるよう、関係国への働きかけを更に強めるべきです。
さて、問題は、日米両国の初動対応です。安倍総理とトランプ米大統領が南部フロリダ州パームビーチにあるレストランで夕食を共にした際、一般客の目の前で北朝鮮のミサイル発射への対応を協議していたことが明らかになりました。
レストランにいたとみられる人物のフェイスブックに、安倍総理の前にかざされた文書を米側スタッフが携帯電話のライトで照らし、日本政府関係者がそれをのぞき込んでいる写真が掲載されました。「慌てているのを見るのは面白い」と書き込みもありました。
驚くべきことに、「核のフットボール」(大統領が核攻撃を承認する際に使うブリーフケース)を持つ担当者までもが撮影され、投稿されていました。
そもそも、なぜ個室で食事をとらなかったのでしょうか。また、ミサイル発射の第1報が入った時、なぜ夕食を中断し、別の場所に移ろうとしなかったのでしょうか。日米両首脳ともに、危機管理、情報管理の両面において脇が甘過ぎたと言わざるを得ません。お蔭で、レストランの一般客たちにとっては、滅多に見ることのできないディナーショーになったことでしょう。