かわら版 No.1038 『保育園建設の難しさ』
2016/04/25熊本、大分地方を襲った大地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げ、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
激しい揺れは今も続いています。それも同時多発的に、徐々に範囲を広げながら…。避難所等におられる被災者の皆様の不安を思うと、胸が締め付けられます。
被災地の支援は、与野党の枠を超えてオール日本で取り組むべきです。この観点から、民進党千葉県第4区総支部では地方議員やボランティアが中心になって、船橋市内の駅頭で募金活動をしましたところ、大勢の皆様にご協力いただきました。総支部長として心より感謝申し上げます。
実は、今月11日、私は党の東日本大震災復旧・復興推進本部長として、岩手県をお訪ねし復興の現状などについて意見交換をしてきたばかりでした。5年前の大震災からの復興もまだ道半ばにある中での今般の大地震の発生は、改めて日本が地震列島であることを多くの人に知らしめました。
地震はいつでもどこでも起こり得るという危機感については、全ての国民が共有していると思います。しかし、確実に進行しつつある超少子化という重大な危機については、必ずしも問題意識が共有されていないように思えます。
出生率が1.5を下回る超少子化がこのまま続くと、現在約1億2800万人の日本の総人口は、2060年には約8600万人まで激減します。国内市場の縮小、社会保障費の負担増、空き家の増加、学校の廃校、治安の悪化、公共サービスの劣化、災害対応の困難化…。超少子化はまさに亡国への途なのです。
この危機を克服するためには、安心して子育てできる社会をつくることが急務であり、待機児童問題は1日も早く解消しなければならない課題です。しかし、国や自治体が総力を挙げて対策を打ち出している中、千葉県市川市では「子どもの声がうるさい」などと近隣住民に反対され、認可保育園の新設が中止に追い込まれました。住民反対による保育園建設断念は、各地で相次いでいるようです。
「老後は静穏に暮らしたい」「子どもを送迎する車や自転車の事故が心配だ」など、反対の声にも耳を傾けなければなりません。しかし、保育園が迷惑施設のような扱いを受けるような社会では、少子化に歯止めをかけることは困難です。
民進党は、保育園として活用する土地・建物の課税軽減措置や保育士の給与を引き上げる処遇改善策などを提案していますが、子育て世代の生活環境を地域で考える機運を高めていく必要性を改めて強く感じています。
熊本の倒壊した家屋の中から、赤ちゃんが無事に救出された瞬間は日本中が感動したはずです。子育てを卒業したシルバー世代も、お子さんのいらっしゃらない方も、子どもと子育て世代を温かい眼差しで見守る社会を是非ともつくらなければなりません。