詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1017 『続・臨時国会を開け』

2015/11/24

  私たちは、法律というルールの下で暮らしています。事業は商法や会社法が適用されますし、働き方は労働基準法などの雇用法制を守らなければなりません。住まいや店舗は建築基準法により違法建築は許されません。電車や車といった交通手段も、鉄道法や道路交通法の定めに従わなければなりません。子どもたちの教育も、教育基本法や学校教育法に基づいています。こうした各種様々な法律は約3千本もあります。お互いが法律を遵守することにより、社会は成り立っているのです。


  これらの法律の頂点に立つ国の最高法規が、日本国憲法です。そして、憲法第九十九条は、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と規定しています。しかし、安倍総理は先週号で触れたように、憲法第五十三条の「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」に基づく、野党による臨時国会の開催要請に応じようとしません。


  国のトップが国の最高法規をないがしろにするような国が、果たして法治国家といえるでしょうか。調子に乗った権力者が勝手気ままに権力を行使する国は、人治国家です。たとえ憲法改正論者であっても、手続きに則り改正される前は、現行憲法を遵守しなければなりません。


  臨時国会を開催しないのは、総理の外交日程が窮屈だからだそうです。私も経験しましたが、確かに11月は極めてハードです。G20、APEC、東アジアサミットなど重要な首脳会議が毎週開かれます。高速移動は疲労が蓄積しますし、時差にも悩まされます。国益を背負った国際会議は緊張しますし、ストレスも溜まります。だからといって、国会を開かなくて良い理由にはなりません。


  テロの脅威や減速する世界経済に国際社会はどのように立ち向かうのか、各国首脳と議論したことをきちんと国会に報告し、質疑に立つ責任があるはずです。歴代総理は疲労困憊しながらも死に物狂いでその責任を果たしてきました。

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