詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.970 『地方創生?』

2014/10/14

  私は、民主党政権下で財務副大臣、財務大臣、内閣総理大臣を務めましたので、平成22~24年度の本予算の策定に深く関わりました。補正予算も含めると計6回、予算編成に携わりました。財源に限りがありますので、メリハリをつけることに心を砕きました。総じて、横バイないしは減額の査定をする中で、社会保障、地方、中小企業対策については増額しました。


  特に、地方交付税は小泉政権による「三位一体改革」以来減額され続けていましたが、私は3年連続して増やしました。国家財政も厳しい状況でしたが、地方財政の疲弊が看過できない状況に陥っていたからです。この交付税の増額措置は、全国の自治体(船橋市も含めて)の財政の安定に寄与したと自負しています。


  しかし、また自公政権に戻り、地方交付税は減額されてしまいました。政権が交代すれば、お金の使い方、即ち予算が変わるのはある意味仕方のないことです。安倍政権は私たちの時より地方軽視の方針なのだなあ、と思っていました。


  ところが、安倍総理は唐突に「地方創生」を内閣の重要課題に掲げました。そして、いま開催中の臨時国会も「地方創生国会」と名付けています。地方交付税を減らしてきた政権が、今さら地方創生を掲げるなんてちゃんちゃら可笑しい話です。


  国会に提出された法案(まち・ひと・しごと創生法案)を見ても、中身はスカスカ。内容がありません。安倍政権にとって地方創生が来春の統一地方選対策であることは明らかであり、本気で地方創生、地方分権を進める気は全くないように思います。アベノミクスで強い者をより強くし、都市部と地方の格差を拡大させたことの隠れ蓑にしようとしているのではないでしょうか。


  お気の毒なのは石破茂・地方創生担当大臣。妙案がまだ浮かばないらしく、民主党政権時代に創設した「一括交付金」を地方創生策の一つの柱にしようかというお考えもあるようです。良いものを良いと認める素直なお人柄は評価しますが、その前にきちんとした総括が必要です。


  私たちは、使い勝手の悪い各府省の縦割りに基くひも付き補助金を廃止して、地方が自由に使える「一括交付金」を創設しました。各府省の抵抗により本当に苦労しましたが、私が財務大臣の時に約5100億円の一括交付金をつくりました。翌年、総理になった時には、約8300億円に拡充しました。自治体による評価の高い政策でした。


  しかし、安倍内閣はその発足直後に一括交付金を廃止しました。私は、安倍内閣には「地方創生」を語る資格はないと思っています。少くとも、政権発足後直ちに廃止した制度を、今ごろになってなぜ復活させようとしているのか、しっかりと説明してほしいと思います。

 

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