詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.957 『気になる数字』

2014/07/07

  第186通常国会は、6月22日に150日間であっさりと閉会になりました。集団的自衛権をめぐる自民・公明による与党協議ばかりが注目され、国権の最高機関である国会の存在感が稀薄であったことは誠に残念です。

  私が総理であった時の第180通常国会では、会期日数が229日、総理大臣の本会議・委員会の出席実績は362時間45分と、1997年に国会審議活性化法が成立して以降の最長記録をつくりました。最も時間を費やしたのは「社会保障と税の一体改革」。国民の理解が不可欠と考え、丁寧な国会審議を心掛けたからでした。

  憲法に関わる自衛権の問題は、もっともっと重要です。先般、安倍政権は集団的自衛権を限定容認する閣議決定を行いましたが、政府の説明不足により強い不安を感じている方が多いのではないでしょうか。次期国会では、慎重かつ丁寧な審議を求めていきたいと思います。

  国会が休みだからといって、政治活動も夏休みに入るわけにはいきません。7月だけで千葉県内や都内はもちろん、全国各地で13回の講演会を予定に入れました。暑さに負けず、精力的に頑張る決意です。

  さて、最近、とても気になる統計が公表されました。

  まずは、日本銀行が発表した今年1~3月期の資金循環統計。3月末時点で日銀が保有する国債残高は過去最大の201兆円と1年前より70兆円以上増え、保有比率も20.1%に達しました。ついに日銀が保険会社を抜いて初めて国債の最大保有者になったのです。いうまでもなく、昨年4月から日銀が推進している異次元の金融緩和の結果です。資金をマーケットにジャブジャブに供給するため、日銀は銀行などが保有する国債を大量に購入しています。

  しかし、債券市場における日銀の比重が高まるほど、日銀が国債の購入規模を縮小した途端、即ち、金融緩和の出口の場面では何が起こるのでしょうか。国債の買い手がいなくなれば、長期金利はハネ上がり日本は万事休すです。

  株式市場は年金資金によって下支えされています。1~6月の日本株の最大の買い手は年金資金を扱う信託銀行でした。今秋には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産配分比率が見直され、日本株の比率が引き上げられるでしょう。安倍政権の支持率の源は株価だと思いますが、その株価を年金資金が益々支えるようになるのです。

  債券市場の主役は日銀、株式市場の主役は年金資金。そんなインチキがいつまで続くでしょうか。

  財務省は3日、国の2013年度決算を発表しました。税収は昨年12月の見込みより約1兆6千億ほど多くなりましたが、この税収の上振れはアベノミクスの効果とはいえません。最も税収が伸びたのは所得税ですが、株式の売却益にかかる税率が今年1月から上がったため、税率が上がる前の13年中に駆け込みで売却する動きが広がったためでした。ちなみに、この税制改正は私が財務大臣の時に決めました。アベノミクスで日本経済の実力がついたとはとてもいえません。
 
活動報告一覧へ戻る
HOMEへ戻るpagetop