詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.955 『石原発言について』

2014/06/23

  石原伸晃環境大臣は、舌禍の多い政治家です。福島第一原発をオウム真理教の教団施設のサティアン扱いして、物議を醸したことは記憶に新しいところです。

  性懲りもなく、また暴言が飛び出しました。汚染土を保管する中間貯蔵施設をめぐる福島県側との交渉について、「最後は金目でしょ」と、とんでもない発言をしたのです。国会の会期末なので、圧倒的多数の与党は石原大臣を守りぬき、逃げ切ろうとしました。しかし、政府と被災地との信頼感はすっかり地に墜ちてしまいました。

  私にも、苦い思い出があります。野田内閣がスタートしたのは2011年9月2日でしたが、その約1週間後、鉢呂吉雄経産大臣が福島県民を傷つけかねない不適切な言動をしたという報道がありました。鉢呂大臣が宿舎に帰る直前の番記者とのやりとりを傍らで見ていた別の記者が報じたものなので、どれくらい正確な記事だったかはわかりません。が、鉢呂大臣は、9月10日、自ら職を辞したいと申し出てきました。自らが被災地の復旧・復興の妨げになってはいけないと考えたからでしょう。私も泣いて馬謖を斬る思いで、辞表を受理しました。福島の再生なくして日本の再生なしと固く信じていたからです。

  政権発足当初の大きなつまずきでしたが、後任に枝野幸男氏を充て、それ以降、関係する政務3役が全力を尽くしましたので、福島県の皆さんとの信頼は回復することができたと思います。鉢呂氏はその後、私が政治生命を賭けた社会保障と税の一体改革の実現のために、全力で奔走してくれました。戦後2番めの長時間審議となった一体改革の特別委員会の筆頭理事を務め、野党とも粘り強く交渉してくれました。黙々と舞台回しに汗をかいてくれました。彼の縁の下の力持ちのような働きがなかったならば、一体改革法は成立しなかったでしょう。

  石原大臣も、一日も早く自ら辞任すべきでしょう。どうせ、次の内閣改造では留任はありえないでしょう。また、石原大臣が留まる限り、福島県の地元との交渉事は何も進まないでしょう。迅速に自ら判断し、別の分野で汚名挽回をはかることを強く勧めます。

  それにしても、安倍政権は、中間貯蔵施設を本気で稼働させる気があるのでしょうか。大熊町、双葉町を対象とした政府による地元説明会は、計16回開催されました。しかし、石原大臣はもちろん、副大臣も政務官も誰も出席したことがありません。全部、担当課長まかせです。被災地に寄り添う気持ちなど皆無に等しいといわざるをえません。
 
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